【なでしこ】アメリカ完封、南萌華「でも…楽しかった 笑」。新DFリーダーが明かす日本女子代表が身につける“狡賢さ”と進化

アメリカ女子代表に勝利! 熊谷紗希と健闘を称えあう南萌華。写真:早草紀子(C)Noriko HAYAKUSA

「相手に起点を作らせないことは徹底していた」

[親善試合] アメリカ女子代表 0–1 日本女子代表/2026年4月15日11:07(現地14日)/ルーメンフィールド(シアトル)

 なでしこジャパン(日本女子代表)が米国遠征3連戦の第2戦、アメリカ女子代表に1-0の勝利を収めた。この無失点勝利のラストシーンで、最後にボールをはじき返したのがDF南萌華だった。

 クリアの直後、試合終了のホイッスルが鳴った。南は両膝に手を当て、安堵の表情を浮かべた。初戦に続くスタメン出場。長野風花とともにピッチに立ち、ソフィア・ウィルソンやアリッサ・トンプソン、リンジー・ヒープスらアメリカの主軸と真っ向から渡り合った。

 初戦は2失点を喫して敗れ、第2戦も劣勢を強いられたが、「でも……楽しかったです(笑)」と振り返る。

 その言葉通り、強度の高い相手と拮抗したなかで戦える手応えが、この試合のプレーにもつながった。

 第2戦で際立ったのは、より踏み込んだ守備の一歩だった。前に出て潰すスタイルは変わらないが、その距離と強度が増していた。リスクと隣り合わせの判断のなか、相手に起点を作らせない意識が徹底されていた。

「あそこで相手に起点を作らせないというのは徹底していて、“良いファウル“が前半からあった。ファウルで一回セットする時間ができたりもするので、そこも一つ成長かなと思います」

 かつてブラジル戦後、「勝負には必要なファウルもある。もっと狡賢くならないと」と語っていた。この試合では、その言葉を体現するように、カードに至らない絶妙な間合いでプレーを止める場面が随所に見られた。

 さらに、守備の設計にも成長が見えた。熊谷紗希との連携で最終ラインを高く保ちつつ、相手の背後へのスピードにも警戒した。状況に応じてミドルブロックに切り替えるなど、ラインコントロールは整理されていた。コンパクトさを維持したことで、アメリカにロングボールの選択を強い、攻撃の自由度を制限した。

 攻撃面でも南の持ち味は発揮されている。前線へのフィードは大きな武器だ。初戦では松窪真心の決定機を演出するなど、最短でゴールに迫るボールを供給している。

「今、ブライトンで(清家)貴子が前線にいるので、そこをよく見てるんです。海外の選手が相手でも普通にチャンスは作れる。なでしこでは田中(美南)さんやマコ(松窪真心)とか裏へ抜けるタイミングが上手なので、そこを逃さないように。日本にはロングボールもあるぞっていうのを見せていきたいですね」

 アメリカとの3連戦は最終戦へ。互いに分析が進んだなかでの集大成の一戦となる。

「アメリカはスピードのある選手がサイドにいるので難しいところもありますが、やっぱり両サイドをどう上げるか。必ず隙は出てくると思うので、状況を見ながら攻撃を組み立てたいです」

 来年のFIFAブラジル女子ワールドカップを見据え、1勝1敗で迎える第3戦は再び大幅に先発が入れ替わりそうだ。それでも新ディフェンスリーダーの南が示した守備の基準は明確だ。

 起点を作らせない一歩、ライン設定の判断、そして攻撃へのつなぎ――。その再現性が、チームの完成度を測る指標になる。

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Posted by 早草紀子