大宮が石井正忠監督の退任を発表。強かった古巣に懸ける想い…しかし1年でのJ1復帰ならず
今季限りで退任することになった大宮アルディージャの石井正忠監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
プレーオフ1回戦で敗戦。スタイルを確立できず。
大宮アルディージャは11月27日、石井正忠監督の今季限りでの退任を発表した。後任はまだ決まっていない。12月3日からのトレーニングは現トップチームスタッフを中心う。
石井監督は1967年2月1日生まれの51歳、千葉県出身。現役時代には大宮の前身であるNTT関東でプレーした経験もあり、鹿島アントラーズでの監督としての経験と実績(2015年7月から17年5月) を生かし、17年11月に大宮の監督に就任。J1だった昨季残り3試合の時点で指揮を執ったが、奇跡の残留には導けず。クラブを復活させたいという古巣への強い想いを胸に、1年でのJ1復帰を誓った今季、5位でフィニッシュしてJ1参入プレーオフ圏に導いたものの、同プレーオフ1回戦で、東京ヴェルディに0-1で敗れた。
石井監督は次のようにコメントしている。
「大宮アルディージャに関わる全ての皆さま、パートナー企業の皆さま、ファン・サポーターの皆さま、今年の目標であったJ2優勝を果たせなかったこと、プレーオフのチャンスも逃しJ1に復帰できなかったことを大変申し訳なく思っています。
2017年のリーグ戦残り3試合での監督就任から今年最後の試合まで一生懸命、練習に取り組み、試合では全力で戦ってくれた選手たち、献身的にサポートしてくれたチームスタッフ、クラブ関係者、私に関わってくださった全ての方々の力で、素晴らしい経験をさせていただきました。感謝しています。
ファン・サポーターの方々は、良い時も苦しい時も、ホームでもアウェーでも、常に大きな声援で選手を後押しし、一緒に戦ってくださり本当にありがたく思っています。
私はクラブを去ることになりますが、来シーズンはファン・サポーターの方々と同じように大宮アルディージャを応援したいと思います。1年間という短い期間でしたが、大変お世話になりました」
大宮は近年、渋谷洋樹元監督が2014年8月31日から2017年5月28日まで、約2年9か月率いた以外、指導体制が安定せず、スタイルなども確立できずにいる。タレントは揃っているが、いまひとつ突き抜けきれない。そんな現状を変革し、チームをまとめ上げられる、ある程度、カリスマのある人材が求められているのかもしれない。
文:サカノワ編集グループ