【大宮】移籍初ゴールの嶋田慎太郎。右足のシュート練習は「これからもしない」理由は!?
価値ある同点ゴールを決めた嶋田。(C)SAKANOWA
レフティが逆足で同点弾。次節は故郷の熊本で凱旋試合に!
[J2 4節] 大宮 1-1 金沢/2018年3月17日/NACK 5スタジアム大宮
大宮アルディージャを救ったのは、ロアッソ熊本から今季加入したMF嶋田慎太郎だった。
開幕のヴァンフォーレ甲府戦(〇2-1)以来勝ち星がない大宮は、この日もツエーゲン金沢にホームで先制点を与えてしまう。そしてチームに漂う停滞感を打破したのが、71分に大前元紀と交代で出場した嶋田だ。
前節の徳島ヴォルティス戦(●0-1)に続いてのNACKスタでの登場。「スムーズに試合に入れましたが、そのあとに失点してしまい、チーム内に慌てた雰囲気も出ていました。だからこそ自分がゴールを決めたかった」と、一段とアグレッシブに攻めた。
迎えた86分、左サイドでセカンドボールを拾ったマテウスが逆サイドにパス。大山啓輔がスルーした先、嶋田がダイレクトで利き足とは逆の右足を振り抜き、約23メートルのミドルを鮮やかに突き刺した。
「逆足でしたが、敵も来ていたので(持ち替えず)右足でしっかりミートすることを心掛けて、上手いところにボールが行きました。早く最初のゴールを決めたかったので嬉しかったです」
嶋田はそのように大宮でのファーストゴールを振り返った。しかし、その1点に満足はしていなかった。
「そのあともいくつかチャンスがあり、逆転したかったし、逆転しなければいけなかった。今度は勝利につながるゴールを決めたいです」
22歳のアタッカーはそのように勝利を掴めなかったことを悔やんだ。
レフティの嶋田は、練習中に右足でクロスを放つことはあるものの、「右足でシュート練習することはまったくない」と言う。そのなかで決めた右足での一撃――。
「ひらめきでした。そのときの一瞬の判断。右足のシュートは試合でしか出ない。ただ、無心で振り抜きました」。
さらに右足のシュートに磨きをかけていく? と報道陣から聞かれた嶋田は……。「逆に練習しないで、試合にとっておきます」と小さく笑った。
そして何かの因縁か――。次節3月21日、アウェーで古巣・熊本戦を迎える。生まれ育った故郷であり、ジュニアユース時代から育ってきたクラブ。初ゴールを手土産に、まさに凱旋試合となる。
「お世話になったクラブと対戦できるのは嬉しいこと、すごく楽しみにしています。でも大宮アルディージャの一員として、熊本を潰しに行きます」
心もロアッソレッドからオレンジ一色に――嶋田が必勝を期して、熊本へ乗り込む。
取材・文:塚越始
texy by Hajime TSUKAKOSHI