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夏の移籍期間終了。新潟が積極補強、横浜FMは前田&サントス引き抜く、大宮のイバは脅威に

鈴木武蔵。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

福岡は松本泰志の獲得に成功。新型コロナウイルスの影響を受け、全体的に静観。10月には「特例ウインドー」も設定。

 Jリーグの夏の移籍期間(第2の登録機関=移籍ウインドー)が8月28日に閉まった。新型コロナウイルスの影響を受けて経営面の先行きが見えず、また今季は降格がないこともあり、多くのクラブが今後の状況を見据えた静かな移籍市場となった。

 最も積極的に動いたのがJ2リーグのアルビレックス新潟だった。清水エスパルスから元北朝鮮代表FWチョン・テセを期限付き移籍、湘南ベルマーレからMF福田晃斗を完全移籍、さらに浦和レッズから元U-20日本代表DF荻原拓也、セレッソ大阪から中島元彦をそれぞれ育成型期限付き移籍で獲得。いずれもJ1クラブから、ウィークポイントや分厚くしたいポジションに、適材適所の4人の補強に成功している。

 また、昨季J1王者の横浜F・マリノスも積極的な補強を続け、CSマリティモから日本代表FW前田大然、柏レイソルからブラジル人FWジュニオール・サントスを獲得。いずれもさっそく中心選手として活躍し、最近の3連勝にも貢献している。さらには育成型レンタルでSC相模原でプレーしていた松田詠太郎も復帰して前線を活性化させている(天野純、小池龍もこのタイミングで登録)。前節ついに今季初ゴールを決めた昨季MVPの仲川輝人でさえもレギュラーを確約されない状況となり、チームの中でも好循環が起きている印象だ。

 さらにはJ1復帰に邁進する大宮アルディージャは、横浜FCから昨季J2・18ゴールを決めているイバの獲得に成功。最近3連敗を喫していたなか、4年ぶりのJ1へピンポイントでの大きな戦力を手に入れている。

 またアビスパ福岡は、サンフレッチェ広島から日本代表にも選ばれた松本泰志を期限付き移籍で加えた。中盤の新たな核となれば、ここからの巻き返しも十分に期待できる。

 ただ、やはり新型コロナウイルスの影響を受けて、5000人以下の入場制限が9月末まで続くなか(その後も未定)、多くのクラブがこの時期の補強を自重。出場機会を得られずにいる選手の期限付き移籍が目立った。一方、北海道コンサドーレ札幌の鈴木武蔵(→ KベールスホットVA/ベルギー)、浦和レッズのマウリシオ、ファブリシオ(→ ポルティモネンセSC )、FC東京の室屋成(→ ハノーファー96/ドイツ2部)、橋本拳人(→FCロストフ/ロシア)と、チームを支えてきた選手が軒並み退団している。

 また、FIFA(国際サッカー連盟)はパンデミックの状況を考慮し、第3の登録期間(移籍ウインドー)の設定を認めている。日本(Jリーグ含む)は、10月2日から10月30日に決定。日本人選手のみならず欧州リーグで出場機会を得られずにいる選手もターゲットになる。今回の“静観”の反動がどのように出るかも注目される。

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[文:サカノワ編集グループ]

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