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Jアウォーズで春畑道哉さん渾身の『J’S THEME』「トップ選手を前に壮観でした」

Jリーグアウォーズのオープニング。春畑道哉さんが演奏するなか、出席した全選手と監督が入場(2018年12月)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

Jリーグとともに誕生から25周年、「私の音楽生活の中でも大きな曲になりました」。

 TUBEのギタリストで作曲家の春畑道哉さんが12月18日のJリーグアウォーズのオープニングで、自身が手掛けて創ったJリーグオフィシャルテーマソング『J’S THEME(Jのテーマ)』を生演奏し、熱気溢れるなかJリーグの2018シーズンに活躍した選手たちが堂々と入場した。

 Jリーグ誕生から25周年と、ひとつの周期を経て、今なおファンやサポーターから親しまれ、愛される曲。今回は1993年の開幕戦のセレモニーの模様がスクリーンに映し出され、そこから現在につながるという趣向の凝った演出がされた。そして春畑さんの弾くビートによって“25年目のJリーグを代表する選手たち”が一段と引き立てられ、会場を埋めたファンとサポーターからも熱い拍手が送られた。

 25年前の1993年、国立競技場での開幕。春畑さんは振り返る。

「最初にお話しをいただいた時に光栄なことだと思いました。開幕に向けて、曲作りからずっとしてきて、あのセレモニーのことは今でも忘れられません」

 Jリーグも『J’S THEME』とともに、様々な出来事があった時代を乗り越えて、現在に至る。Jクラブ数は来年、ヴァンラーレ八戸が加わり55クラブに増える。当時、25年後にこうしてJリーグの輪が全国に広がっていることなど、もちろん誰一人として知る由もなかっただろう。

「あれから25年が経っても、試合会場をはじめいろいろな機会に流していただいて、『J’S THEME』は本当に私の音楽生活の中でも大きな曲になりました。感謝しています」

 春畑さんはそのように喜ぶ。

 2018年はリアレンジした『J’S THEME(Jのテーマ)25th ver.』を発表。今回のステージでもその最新バージョンを披露した。

「選手入場のオープニングで『ぜひ生演奏で』という話をいただいて喜んでやらせていただきました。現在のトップの選手たちが続々と入ってくる様子は、壮観でしたし、とても迫力がありました。そのなかで演奏させてもらえる経験なんてありませんからね。嬉しかったです」

 今回のリアレンジで心掛けたことについて、春畑さんは説明してくれた。

「25年前にはなかった音、今らしい音を加えながら、子供たちがどんどん育って、選手になっていき、そしてこれからまた新たな未来へ向かっていくJリーグをイメージして、アレンジさせてもらいました」

 まさにそのように『J’S THEME』と同じ時代を育ってきた選手も数多くいる。例えば、2018シーズンのベストイレブン受賞者のうち、最年少はチャナティップと大島僚太で、いずれも25歳での初受賞だった。つまり1993年、Jリーグ誕生の年に生まれた選手だ。

 こうして時代は変わっていき、そのなかで大切なものは伝承されていく。その一つが『J’S THEME』でもあるのだろう。

 そして52歳の春畑さんは、こう言って笑った。

「先ほどスタッフの方から『また、25年後も弾いてください』と声を掛けていただきました(笑)」

 永遠への布石となる25年、ビートはさらに刻まれていく。

 Jリーグ25周年記念アルバム『J’S THEME 〜Thanks 25th Anniversary〜』は好評発売中。春畑さんは来年3月6日にフルアルバム『Continue』を発売する。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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