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【浦和 ACL】残り2分で投入の阿部勇樹「1点取れば何が起きるか分からなかった」

浦和の阿部勇樹。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

最後まで諦めていなかった――。リーグ残り2試合、チーム最年長ボランチが全身全霊をかけて体を張る。

[ACL 決勝 2nd] 浦和 0-2 アル・ヒラル/2019年11月24日19:00/埼玉スタジアム2〇〇2
※2勝のアル・ヒラルが優勝

 浦和レッズのチーム最年長38歳、MF阿部勇樹がアジアチャンピオンズリーグ( ACL )決勝・アル・ヒラル(サウジアラビア)との第2戦、0-1で迎えた88分に青木拓矢と代わってボランチに入った。「1点取れれば、何が起きるか分からない」と、中盤のやや高い位置からプレスをかける役割を担った。が、アル・ヒラル優勢の流れは変わらない。さらにホームチームが前への推進力を強めた90+1分、カウンターからバフェティンビ・ゴミスに決定的なこの日2点目を決められてしまった。

「みんなで喜ぶことができなくて、それが残念でした」

 阿部は試合後、そのように悔しさを噛み締めた。

 残り2分での投入。浦和が逆転するには、アウェーゴールにより3ゴールが必要な状況だった。阿部は決して諦めていなかった。

「みんなを少しでも前へ行かせないといけないし、相手がキープしてくるボールをどこかで取らなくてはいけなかった。1点取られて難しい展開ではあったけれど、最後まで諦めず、1点取れば、サッカーは本当に何が起きるか分からない。1点取れればスタジアムも、仲間の雰囲気も、ガラッと変わると思っていた。だからこそ……残念です」

 阿部にとっては優勝した2007年、2017年大会に続く、三度目のファイナルであり埼スタのピッチだった。だが完敗を喫し、アジア王者のビッグタイトルは逃した。

 一方、J1リーグはまだ残留を確定できずにいる。次節のFC東京戦、勝てば自力で決定できる。

「(ACLでは)いろいろな強い相手と戦ってきて、こうして決勝まで来れたことは決して偶然ではない。意味があっての決勝進出。負けたから全部をなくす必要はない。決勝まで来ることがどうしてできたのか、もう一度、ポジティブに考えて。あと、Jリーグでの2試合は、結果を残して残留を決める。この悔しい思いをぶつける試合が残っている」

 そして阿部自身は「常に目の前の試合を全力でやることは変わらない。この先もそれは変わらない。だからこそ、しっかりまず2試合戦うこと。このACLの舞台に戻るためには、Jリーグでしっかり結果を残すしかない」と誓う。

「ACLは面白い。素晴らしい大会。いろんな国のチームと対戦できて、いろんなことを経験させてくれる。(若い選手たちには)もちろん勝つことが一番の経験。ただ僕らもそうだれど、この悔しい気持ち、勝利では感じられなかった大事なこともある。そういったことが間違いなく次へとつながっていくと思う」

 阿部は静かに淡々と語っていった。

「同じぐらい大きな試合が残っている。それに頑張る理由がまた一つ増えたし、またしっかりやっていきたい」

 浦和がACLの舞台に再び戻るためには来季、上位に食い込まなければいけない(あるいは天皇杯優勝)。今季の阿部はJ1リーグ11試合、ACL6試合に出場。浦和をJ1に残し、2020年へと弾みをつけるため、チーム最年長のボランチが全身全霊をかけて体を張る。

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[取材・文:塚越 始]

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