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【電撃移籍】中村俊輔、大久保、川又の「三色トライアングル」が磐田を鮮やかに彩る

(左から)川又堅碁、中村俊輔、大久保嘉人。磐田でどのようなコラボレーションを見せるのか楽しみだ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

ケガ人が相次ぐ前線。名波監督は逆境を反発力に変える。

 川崎フロンターレの大久保嘉人が6月26日、ジュビロ磐田に完全移籍することが、両クラブから発表された。同日の磐田の全体練習にさっそく参加。「ジュビロ大久保」が誕生した。

 磐田は15節時点、6勝3分6敗の8位で、15得点15失点。昨季の6位以上を目指していたが、上位の壁を突き抜け切れずにいる。また、アダイウトン、中村俊輔と攻撃の要と言える二人が相次いで負傷離脱。左ヒザ前十字靭帯損傷から復活した小川航基もいまだノーゴールと調子が上がらずにいる。FWは14試合5ゴールとまずますの成績を残す川又堅碁頼みというチーム状況が続いている。

 大久保獲得の理由について、服部年宏強化部長は「チャンスは昨季より作れており、得点数をアップするため」と説明している。

 磐田にとっては、CFやシャドー、さらにサイドも担えて、しかもゴールへ積極的に向かって行ける大久保はまさにうってつけの人材。チームに必ずフィットできると、名波浩監督も絵を描けたのだろう。現在の逆境をむしろ反発力にしてしまうあたりは、まさに発想の転換。また、指揮官は日本人ストライカーは経験を積んだ30代に一段と凄みを増すことにも着目しており、大久保の再覚醒に懸けたと言える。

 さらに、これまで何度もチャレンジしながら頓挫してきた2トップも実現するか——。

 この中断期間を活かして右足間接のクリーニング手術を受けた中村だが、戦列復帰は7月下旬になる見込み。試合を重ねながらコンビネーションを高めていくことになりそうだ。

 大久保&川又の2トップ、そして司令塔に中村。磐田のホットラインを形成してきた川又と中村、ワールドカップ(W杯)にも臨んでいる大久保と中村、その3人の特色がうまくピッチで融合すれば——果たしてどのようなカラーや輝きを放つのか楽しみだ。

 復帰した川崎では今季リーグ12試合2得点、ACL4試合0得点。ACLのグループステージ敗退も、この移籍に大いに関係したと言える。

 本人も相当な覚悟を持って来たに違いない。36歳の大久保が磐田の地で、もう一花咲かせる。

文:サカノワ編集グループ

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