興梠慎三が内田篤人のブーイング論争に言及。「サポーターは勝つ気で臨んでいるのだから」
浦和の興梠慎三(右)と鹿島の内田篤人(左)。(C)SAKANOWA/(C)Takasshi UEGISHI
次は拍手で迎えてもらえるように、勝点3を狙う。
[J1 2節] 浦和 0-2 札幌/2019年3月2日/埼玉スタジアム2〇〇2
浦和レッズが北海道コンサドーレ札幌に完敗を喫した。
ほとんどチャンスを作れなかった前半終了後、そして試合終了後、浦和サポーターから大きなブーイングが起きた。今回は珍しく、どちらかというと、ハーフタイムに突入した時のほうがブーイングは大きかった。試合終了後は、後半の45分間はスコアレスに終わり、中3日で大事なホームでのACL初戦が控えていることもあり、選手を後押しする拍手も多く聞かれた。
「ブーイングはもちろん、当たり前だと思います」
浦和の興梠慎三はそのように受け止めていた。そして「記事を読んだだけで、詳しいことは分かりませんが」と前置きをしたうえで、元同僚である鹿島アントラーズの内田篤人が川崎フロンターレ戦のあと、一部(数人)の鹿島サポーターからのブーイングに一瞬、「納得がいかない」と怒りを露にしたことについて言及した。
「記事で読んだだけですけれど、(内田)篤人のことが出ていました。選手もそうですけれど、サポーターもまずその試合に、勝つ気で臨んでいます。だからこそ引き分けたり、負けたりしたら、ブーイングが来るのは当たり前。チャンピオンの川崎相手に、アウェーで勝点1を拾えたという考えはあると思います。けれど、サポーターは勝点3を望んでいる。だから俺は篤人と違って、ブーイングは当然なのかもしれないと思っています。ウチのブーイングはもちろん当然です。これを次、拍手で迎えてもらえるように、勝点3を取っていきたいです」
興梠がどのような状況だったのかを聞き、囲んでいた記者たちから、チーム状態が悪いと思われるなどクラブにとってデメリットでしかないという考え、内田が鹿島のチーム全体を守る役目があると語っていたことが伝えられた。
「篤人がそのような発言をするのは珍しいですよね。(2015年、浦和の)阿部ちゃん(勇樹)の場合はブーイングに対し、一緒に戦っていこうという声だった。篤人は記事だけだから分からないけれど、なぜブーイングなのかという感じだったようでした。そこを受け入れるのが選手だと思うし、海外ではけっこうあるんじゃないかな」
興梠はそのように語った。同世代であり、高校卒業から長年一緒に戦ってきた内田だけあって、興梠も驚いていた様子。ただ浦和のエースストライカーは、サポーターの「まず勝ちたい」気持ちを汲み取りたいと強調していた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI