横浜の新FWエジガル・ジュニオが見せる抜群の順応力
横浜FMのエジガル・ジュニオ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
戦術にも、生活にも自然と溶け込む27歳のブラジル人ストライカー。
[J1 4節] 大分 – 横浜FM/2019年3月17日16:00/昭和電工ドーム大分
ブラジルのECバイーアから横浜F・マリノスに今季期限付き移籍で加入したFWエジガル・ジュニオが、 開幕から高い適応力を見せている。
開幕から2試合3ゴールを記録し、これまで2勝1分と負けなしのチームを牽引。3節の川崎フロンターレとの「神奈川ダービー」では3戦連発とはならなかったものの、スルーからマルコス・ジュニオールのゴールをお膳立てしている。ウーゴ・ヴィエイラと伊藤翔が退団したことで不安のあった横浜FMの前線にしっかりとハマり、ストライカーとしての嗅覚を最大限に発揮しつつ、周りの特長を引き出している。
エジガル・ジュニオは、川崎戦でのマルコス・ジュニオールのゴールにつなげたスルーについて、次のように語っていた。
「クロスが来るなと思い中へ入って行ったけれど、少し間に合わないと感じました。ただ、ウチのやり方はチャンスになれば、ボックス内にどんどん人が入って行く形です。必ず後方からマルコス(ジュニオール)のみならず、誰かが入って来ると信じて、スルーをしました。結果、上手くゴールが決まりました」
その言葉からは、アンジェ・ポステコグルー監督のスタイルを早くも理解し、加えてパフォーマンスにも落し込めていることが分かる。ここからビッグチャンス(得点)につなると、直感で感じ取れていた。
また川崎と互角に渡り合えたことも自信につながったという。
「王者の川崎は強くて経験抱負な選手が多く、クオリティの高いチームだと感じました。ただ、そんな川崎に簡単にやらせず五分五分の展開に持ち込めました。さらに、僕たちも一つひとつ積み重ねていくことが大切だと感じました」
そのように手応えを得たエジガル・ジュニオは「積み重ねていくことが大切」と、何度か繰り返し言っていた。
初めての海外での生活となるが、「不安なんてない。横浜は何でも揃っているし、新しい文化や生活に触れるのはとても楽しみしているよ」と、日本での生活もむしろ満喫している。さまざまな新たな経験を、どんどん吸収しているようだ。
Jリーグの中でも特殊と言える戦術に、日本の異文化に、柔軟にというより自然と溶け込んでいる。27歳のブラジル人ストライカーが、横浜FMのトリコロールのユニフォームをまとい、日本でブレイクスルーを遂げようとしている。4節はJ1最南端、大分トリニータとのアウェーマッチだ。
文:サカノワ編集グループ