PKが妥当だった!? ファン・ウィジョへの槙野のタックル
浦和の槙野智章。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「足は掛かっている」JFA審判部のレイモンド・オリバー副委員長の見解は――。
[J1 7節] G大阪 0-1 浦和/2019年4月14日/パナソニックスタジアム吹田
果たして、ガンバ大阪にPKが与えられるべきだったのか――?
G大阪対浦和レッズの41分、ペナルティエリア内でボールを持ち込んだファン・ウィジョと槙野智章がマッチアップを展開。切り返したファン・ウィジョが槙野をかわしたところで、槙野の足がかかった。そこでファン・ウィジョは倒れたものの、笛は鳴らず……。なぜノーファウルだったのか? これは槙野のファウルでガンバ大阪にPKが与えられるべきではなかったか? その疑問について「DAZN」の人気コンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」で、日本サッカー協会(JFA)審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長が詳しく解説をした。
「ムズカシイ」
そのように切り出したオリバー氏は、「ファウルでPKを与えるべきだった」と見解を示した。
「不自然な倒れ方をしたことで、それは主審が判定するための助けにはなりませんでした。ビデオで見ると、足が掛かっているとはっきり分かります。これはファウルです。PKを与えなくてはなりません。ただ、倒れて主審にファウルだと叫んでアピールしていますが、それも主審からすると不自然に映ったはずです。頑張って踏ん張ることもできたと思います」
番組内では、スローではなく通常のスピードでもこのマッチアップの場面を再生。ファウルかどうかが、ファン・ウィジョの不自然な倒れ方によって、むしろ判定を難しくしてしまっていることが説明された。つまり、槙野のタックルとは、また別の力で体が飛んでいる、ように見受けられてしまうのだ。
また、オリバー氏は「(シミュレーションでは?)コンタクトはあったが、不自然な倒れ方だったという主審の判断です」とも説明した。
浦和は命拾いした、と言えた。一方、Jリーグでは、外国籍選手(特にアタッカー)がこのように判定で不利を被る傾向が少なからず見受けられ、実際、そういった声が選手からも聞こえてくる。日本語を理解できないコミュニケーションの問題なのか、単純に選手個々の感じ方によるものなのか、もしかすると無意識の差別的判断が働いていないか。そのあたりの精査も今後は求められてきそうだ。
文:サカノワ編集グループ