【なでしこ】大滝麻未、上尾野辺とも不発。千葉と新潟、表裏一体の「課題&期待」
千葉の大滝麻未。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
女子W杯まであと2節。明日と明後日も好カード目白押し。
フランス女子ワールドカップ(W杯)に伴う中断を前に、なでしこリーグは大混戦となっている。7節を終えて首位の浦和レッズレディース(勝点15)から6位のジェフユナイテッド市原・千葉レディース(同11)まで勝点5差に6チームがひしめき合い、それぞれが試合ごとにチームパフォーマンスを高めている。
5月6日の7節、千葉対3位のアルビレックス新潟レディースの一戦は、互いに攻め合ったものの、スコアレスドローに終わった。
序盤は千葉が主導権を握った。大滝麻未や小澤寛が前線から果敢にプレスをかけて新潟の勢いを削ぎ、13分、右SBの若林美里のクロスに大滝がヘッドで合わせるなど好機を作り出す。さらに30分過ぎ、千葉はセットプレーから幾度となくチャンスを作り出した。しかし、そこでゴールならず……。ここがひとつターニングポイントとなったか。
「セットプレーはかなり練習をやってきましたが……」
10本のCKをひとつもモノにできず、千葉の藤井奈々監督は、厳しい表情を浮かべた。
すると後半、暑さも影響したのか、千葉の選手たちの足が止まる。試合終盤にやや盛り返したものの、結局ゴールを奪うことはできなかった。チャンスは作り出せていただけに、惜しかったと言えた。
一方、新潟もチャンスを生かしきれなかった。押し込まれた前半も、阪口萌乃から右サイドの深い位置を突いてフィニッシュにつなげ、今季FWを務める上尾野辺めぐみがトップ下まで落ちてボールに絡み、左サイドの佐伯彩が空いたスペースを突いてゴール前に駆け上がる。チームとして意図する攻撃の形を随所で展開した。
それでもゴールは遠かった。上尾野辺は悔やんだ。
「クロスや、フィニッシュの精度がマズいですね。ただ、徐々にチームは良くなってきています」
その表情からは、チームの確かな成長に手応えを得ているようにも感じられた。
中断まで、あと2節。今週末の5月11日と12日の8節では、浦和対千葉(浦和駒場/11日14時)、ベレーザ対仙台(ひたちなか/12日14時)、INAC対AC長野(ノエスタ/11日13時)、新潟対F日体大(新発田陸/12日13時)、ノジマ対伊賀(ギオン/11日13時)と好カードが組まれる。
浦和の首位キープなるか。ベレーザが巻き返すか。ジワジワと上がってきた新潟が一気に駆け上がるか!? フランス女子W杯のメンバーに決定した選手たちのパフォーマンスにも注目だ!
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA