【浦和L】女王の座奪還へ 今季はどこからでもゴールをこじ開ける!「毎日がサバイバル」丹野凜々香は右WG起用に応えベレーザから決勝ゴール
浦和Lの丹野凜々香(中央)が決勝ゴール! 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
期待のレフティ、一瞬の隙を見逃さず。30日はホームで千葉L戦。
三菱重工浦和レッズレディースが8月24日に掴んだのは、特別な白星だった。前指揮官の楠瀬直木監督、浦和生え抜きの塩越柚歩、クラブを牽引してきた猶本光が日テレ・東京ヴェルディベレーザに名を連ねての初対決、しかも前回リーグ優勝の女王との対戦であり、負けられなかった。
決勝点を決めたのは、丹野凜々香だった。開始早々の4分、コーナーキックのこぼれ球、GK野田になとMF眞城美春の対応に一瞬の間が生じた。丹野はそこを見逃さず、「来た! ラッキー!」と左足でシュートを突き刺した。
昨季主戦場だった左から逆の右ウイングに入ったレフティの丹野は、進化を遂げる北村菜々美、ベテラン宇津木留美とも対峙。櫻井まどかと上手く連携しながら仕掛けていき、「練習を重ねるにつれて周りとも話せて良い関係性が作れているので自信を持ってやれています」と、サイドの主導権を握ることに成功した。
宇津木の上手いポジション取りに手を焼きながらも、持ち前のドリブルで突き破り、負けん気の強さを見せた。
この試合で際立ったのは、浦和のフィジカルと組織力だった。若いメンバー主体となった今季、ベレーザの攻撃を無失点に抑えてみせる強度を示せたのは一つ自信になるだろう。新助っ人のタンチュリエ・ローリー、エスタ・マイ・キスもチームに良い相乗効果をもたらしている。チーム内で切磋琢磨するなか、丹野も「毎日がサバイバルです」と練習から闘志を漲らせている。
3節を終えた段階だが、浦和Lは首位に立った。このあと8月30日にホームでジェフユナイテッド市原・千葉レディース、9月6日にアウェーでマイナビ仙台レディース、同14日にホームでちふれASエルフェン埼玉と、堅守を掲げるチームとの対戦が続く。
2シーズン前まで連覇を成し遂げた元女王として、リーグタイトル奪還へまず好スタートを切ることに成功できたのは大きい。
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どこからもゴールをこじ開けていけるのが、浦和の一つの強みになっている。この日のように隙を逃さない、あるいは焦れずに攻め切る。そんな全員が主役になれるサッカーに磨きをかけていきたい。