×

ベレーザ塩越柚歩が浦和Lとの初対決で涙「もう一回り大きくなってチームを支えられる存在にならないといけない」

浦和L戦のあと、涙をこぼすベレーザの塩越柚歩。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「今日はすごく特別な試合。長年聞いていた馴染み深い声でした」

[WEリーグ 3節] ベレーザ 0-1 浦和L/2025年8月24日/味の素フィールド西が丘

 三菱重工浦和レッズレディースからWEリーグ女王の日テレ・東京ヴェルディベレーザに移籍した、なでしこジャパンの塩越柚歩が8月24日、ホームで古巣との初めて対戦し、試合後に元チームメイトと抱擁をかわすと涙をこぼした。

 育成年代から生え抜きとして在籍した浦和Lからゴールを決めるには、旧知の仲である髙橋はなが立ちはだかる最終ラインを崩さなければならない。浦和としては、よく理解している塩越を封じることで、ベレーザの攻撃の芽を積めると対応してきた。

 塩越は「そのなかでミスマッチは起こるので、(選手の)間、間でボールを受けて散らすことは意識していました」と試みた。

 開始4分に浦和のファーストチャンスで先制を許したあと、塩越はミドルシュートを放ち、CKからのショットもクロスバーに阻まれるなど惜しいシーンを作り出した。浦和を上回るシュートを張ったが、最後まで浦和の守備網を破れず、0-1で敗れた。

 試合前や途中に浦和サポーターからブーイングがあったがそれはピッチ上に没頭していたので、気にならなかった。むしろベレーザサポーターからの「チャントは自分の時に特別大きくしてくれているように感じるくらい、すごく聞こえてきました」と、緑の一員であることを強く実感して戦った。

 いろいろな感情が渦巻いていた。ホームサポーターへの挨拶を終えたあと、数か月前までともに戦っていた浦和の元チームメイトのもとへ行き、「ありがとう」とハイタッチをしていくうちにこらえられなくなり、涙をこぼした。

 そして昨シーズン浦和でともに戦った楠瀬直木監督、猶本光とともに浦和サポーターの前に立つと、大きな拍手が送られた。

「今日はすごく特別な試合でした。もう一回り大きくなってチームを支えられる存在にならないといけない。長年聞いていた馴染み深い声でした」

 次の対戦(日程未定)はアウェーチームとして浦和に乗り込むことになるが、「そっちの方がプレッシャーを感じるかも」と、それまで取材ゾーンで涙を浮かべていた塩越は小さく笑った。

いま読まれている記事>>【浦和】元スウェーデン代表FWイサーク・キーセ・テリンを獲得「タイトルをもたらせるよう頑張る」。名門マルメ退団、フリートランスファーで

 浦和が序盤にリードした展開もあり、ベレーザが主導権を握ったものの、これで早くも2敗目を喫した。プレッシャーを力に、悔しさをバネに強くなってきた塩越だ。今度はベレーザサポーターのためにも、ともに歓喜を爆発させたい。

Posted by 早草紀子