ノジマステラ相模原、初の皇后杯決勝進出! しかし、なでしこJの高木ひかりは悔し涙を流す
ノジマステラ相模原が初の皇后杯決勝進出! しかし高木(左)はなぜか悔し涙を浮かべた。写真:早草紀子/(C)Noriko Hayakusa
12月24日、日テレ・ベレーザと長居で対戦。
[皇后杯 決勝]日テレ・ベレーザ – ノジマステラ相模原/2017年12月24日14時10分/ヤンマースタジアム長居
12月23日の皇后杯準決勝、ノジマステラ相模原対ジェフユナイテッド千葉レディース戦は延長120分に及ぶ激闘となった。延長前半アディショナルタイムに挙げた南野亜里沙のゴールで、チーム創設6年目にして初の皇后杯決勝進出を決めて沸き立つノジマステラの選手たち。その輪の中で目を真っ赤にする一人の選手がいた。
「悔しかった……」。それは嬉し涙ではなかった。4-1-4-1システムのアンカーに入った高木ひかりだ。久しぶりのポジションで、守備意識を高めて臨んだ。しかし最初に訪れた見せ場は、守備ではなく先制点を狙うセットプレーだった。
田中陽子の蹴り出すCKのこぼれ球に反応。高木のシュートはバーのわずか上に外れた。続くミドルシュートはクロスバーに直撃。チャンスには恵まれたが、決めきれなかった。
何より高木が悔やんだのが、延長に入ってからの自身のプレーだった。90分間を経た高木の足は攣り始めていた。自分の特長であるはずの守備で身体を寄せきれずファウルでFKを献上。ピンチを招いてしまったのだ。なんとかそのFKも自力で掻き出したものの、正念場で思うようなプレーができ自責の念にかられた。
「全然ボールに触れなくなって……。自分のミスが結構ピンチにつながってしまいました」
なでしこジャパンではサイドバックとして東アジアE-1選手権で持ち味を発揮。所属先ではセンターバックを務め、今回、それより一列前にポジションを上げて、ボールに絡むことで攻撃に厚みが加わった。しかしチームで掴んだチャンスをふいにした。そして何より肝心の守備面で迷惑をかけてしまった悔しさが涙に変わった。
しかしチーム初のタイトル懸かる日テレ・ベレーザとの決勝へ向けて下を向いている時間はない。「攻め込まれる時間帯が多くなることは覚悟しています。どれだけ体を張れるかが勝負」。悔し涙を嬉し涙にするため、高木はその表情を引き締めた。
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA