【U-20W杯】キャプテン齊藤未月が日韓戦で警戒「GSの相手は日本を下に見ていたが…」
U-20日本代表の10番をつけて主将を務める齊藤未月。(C)FIFA via Getty Images
イ・ガンインら海外組4人を擁す宿敵。「本当に良いチーム」
ポーランドU-20ワールドカップ(W杯)に臨んでいるU-20日本代表が6月4日(日本時間5日午前0時30分開始)の決勝トーナメント1回戦で、宿敵のU-20韓国代表と対戦することが決まった。
U-20W杯では2003年(当時:ワールドユース)以来の日韓戦となる。平山相太や坂田大輔らを要し、チームは延長戦の末に3−1で勝利。当時の大熊清監督が坂田の献身的な守備に「サンキュー坂田」と連呼し、その坂田が決勝ゴールを奪取。坂田はFIFA主催の男子の国際大会で日本人選手初の得点王に輝き、その活躍ぶりは今なお語り草となっている。
この年代は韓国と対戦した経験がほとんどない。2015年のサニックス杯で伊藤洋輝(名古屋グランパス)らがU-17代表として戦った機会があるぐらいだ。
それだけにスカウティングなどは重要になる。早速チームは5月31日に行われたグループリーグ最終戦の韓国対アルゼンチン戦をチェックし、選手のイメージを膨らませた。
キャプテンの齊藤未月(湘南ベルマーレ)は、「タレントがいるし、見た感じは強いなという印象がある」と警戒を強めている。
「僕らも相手のことを意識し、相手も僕らのことを意識してくると思います。アルゼンチン戦はすごくタフなゲームをしていましたし、韓国人選手らしいと言いますか、本当に体を張る。みんなで頑張って、みんなで戻って、みんなで頑張って守備をして、みんなで頑張って攻めて勝つ。本当に良いチーム」
だからこそ、齊藤は勝負のポイントとして戦う姿勢を強調する。
「戦うところで負けてしまったら、相手に(流れが)転ぶ感じを個人的に感じた」
日本はグループステージでエクアドルとイタリアに引き分け、メキシコに3−0で勝利を収めた。まさにハードワークや球際で競り負けず、組織的な戦い方で難敵揃いのB組を2位で通過することができた。その結果に自信を持っても良いはずだが、齊藤はあくまでも相手が警戒していなかったからこその結果だったとも受け止める。
「グループステージではどのチームも日本のことを下に見て、対戦していたと思う。だからこそのやり易さがあった。だけど、今回に関しては両者ともイーブンの戦い。だからこそ難しい一戦になる」
いかに自分たちの武器であるハードワークを出せるか。
韓国はイ・ガンイン(バレンシア)をはじめ4人の海外組を擁し、その個の力は脅威となる。一瞬のミスが失点に直結する。それだけにグループステージで見せたような組織的な戦い方ができれば、日本は勝利に大きく近づくはずだ。
日韓戦で勝利を収め、影山ジャパンは8強進出を目指す。そして日本を勝利に導く選手の登場により、新たなる伝説も生まれるか――。
取材・文:松尾祐希(フリーライター)