ACL日本勢対決。負けず嫌いな広島の城福監督が「エクセレントだった」と認めた鹿島の選手とは?
広島の城福浩監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
五分五分のボールでほぼ競り勝っていたのは――。
[ACL 決勝T①] 鹿島 1-0 広島/2019年6月18日/県立カシマサッカースタジアム
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦ファーストレグ、サンフレッチェ広島はアウェーに乗り込んだが、セルジーニョに決められた1点を返せず0-1で敗れた。広島のホームゲームとなる第2戦は25日午後7時から広島広域公園陸上競技場で行われる。
ボランチで粘り強い守備を見せ続けていた稲垣祥だが、82分、86分と5分間に2枚のイエロカードを受けて退場処分に。第2戦は出場停止となる。
広島の城福浩監督は試合後、次のように語り悔しさを噛み締めた。
「(リードを許してしまうと)実質プレー時間は鹿島が短くなってしまう。そういったゲーム運びをされてしまうので、悔しいです。プレーできる時間が短くなる。この悔しさを次の90分でぶつけるのみです」
ただし、勝機は十分ある。そのために突破すべき「壁」はあの選手だ――。
「(先制点を決められるまで)本当に相手はそこまでチャンスがなかった。ワンチャンスで点を取られたと思います。そのあと、選手が焦れて大きく蹴る、不確定なボールが増えたので、『それだけはやめよう』と伝えました。とにかく我々はプレー時間を長く、地上戦でやりたいので、そこは確認しました。ただ――」
指揮官は強調した。
「五分五分のボールと言っても、ちょっと不利になったボールで奪われていたのはレオ・シルバだけ。あとはそれ以上、五分以上で勝っていたと思います。やはり彼はエクセレントです。彼と2トップは質が高く、フィジカルが強い。そこを凌がなければ、そして彼を避けては絶対に行けない。そこで五分以上に持っていかないと。他は全然やれていたと思います」
鹿島の不動のボランチ、レオ・シルバをいかに攻略するか。この試合に、しっかりピークを持ってきたのはさすがだ。その「4番」をいかに越えるかが、広島の逆転勝利――ベスト8へのポイントに挙げた。
「体は一つしかない。ボールを動かして、最終的に彼がボールに食いついてきた穴を突いていく。それぐらい腹を据えてやらないと。彼を避けては絶対に通れません」
稲垣が出場停止となる。ただし、だからこそチーム力が問われる。
「稲垣が出られないことをどのように捉えるか。志向することを改めて追求する、腹を据えるような退場だったと思います」
広島は基本的に勝利が必須となる。引き分けでは鹿島の勝ち抜けになる。城福体制2年目、広島の底力を見せる時だ――。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI