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【鹿島】初得点&決勝弾、上田綺世の第一声「こんなに大勢の方に名前を呼んでもらえて感動しています」

鹿島の上田綺世。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

J1上位対決、数的優位を生かして87分にねじ込む!2位浮上、首位FC東京とは勝点7差。

[J1 22節] 鹿島 2-1 横浜FM /2019年8月10日/県立カシマサッカースタジアム

 鹿島アントラーズのFW上田綺世が横浜F・マリノス戦、87分にJ1初ゴールをねじ込み、これが決勝点となり、チームを2-1の勝利に導いた。”実質”ルーキーのファーストゴールでJ1上位対決を制した鹿島がついに2位に浮上した。首位のFC東京とは勝点7差だ。

「熱い応援があったので、その期待に応えたいという思いで精一杯頑張りました」

 試合後のヒーローインタビュー、上田はそのようにまず第一声を放った。

 劣勢に立たされながらも相手に二枚目のイエロカードを受けた退場者が出て、そこから形勢逆転。ホームチームが一気に畳みかけた。しかし、なかなかゴールを奪えない。

 そんななか73分、最初の交代カードで伊藤翔と代わって上田がピッチに立つ。大岩監督からの指示は「守備を頑張りながら、とにかく点を取ってこい!」だったという。

 迎えた終了間際の87分、三竿健斗の縦のロブパスに、背後のスペースを巧み突いた土居聖真が競り勝ってヘディングで折り返す。そこでフリーにいた上田がGKのポジションを見極めサイドで合わせて、冷静にシュートを押し込みゴールネットを揺らした。

「僕が最後の一つ、ワンタッチを仕上げただけなので、そこまでボールを運んでくれたチームメイトのみんなに感謝したいです。気持ち良かったです。(ベンチから試合を見ていて)僕はサブスタートだったので、試合に出たら絶対に点を取るぞという気持ちで見ていました」

 今年は法政大3年生として戦い、卒業後の2022年に鹿島への加入が内定していた。しかし、決断直後の3月に行われたDENSOカップでMVPを受賞するなど大学サッカー界では突き抜けた存在になっていった。

 そして日本代表としてプレーしたコパ・アメリカとユニバーシアードを経て、7月26日にこの夏からのプロ転向を表明。さっそく28日に鹿島へと合流を果たした。

 すると「特別指定選手(大学に籍を置いたままプロの試合に出られる制度)」として7月31日の16節・浦和レッズ戦でJ1デビューを果たす。そして8月2日に正式にプロ選手契約を結び、この日、3試合連続での「ジョーカー起用」から結果を残した。

 ヒーローインタビューの最後。ゴール裏を埋めた鹿島サポーターに向けて、上田は言った。

「応援ありがとうございます。こんなに大勢の方に名前を呼んでもらえることなんて、そんなにないことで、すごく感動しています。また応援よろしくお願いします」

 初々しくて心のこもった第一声。上田が鹿島の選手としての、大きな一歩を踏み出した。

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[文:サカノワ編集グループ]

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