なぜ久保がスタメン落ち?マジョルカ監督、メンバー構成について明かす
久保建英。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
57分に途中出場し、自身初の勝利に貢献する。
[スペイン1部 8節] マジョルカ 2-0 エスパニョール/2019年10月5日/エスタディ・デ・ソン・モイシュ
スペイン1部(リーガ・エスパニョーラ)、RCDマジョルカの日本代表MF久保建英がRCDエスパニョール戦の57分から左ウイングとして途中出場し、加入後、初の勝利に貢献した。2-0のクリーンシートによる勝利を収めたマジョルカは20チーム中18位に順位を上げているが、まだ2部降格圏のままだ。
久保は5節のヘタフェCF戦(●2-4)から3試合連続で右ウイング(右MF)としてスタメン出場を続けていたが、この日は、31歳のベテランであるダニ・ロドリゲスがそのポジションに入った。これまで他にも左MFやインサイドハーフなども務めてきたハードワーカーだ。
そして今回、左ウイングのラゴ・ジュニオールが今季最短となる57分で交代に。久保はそのポジションに入り、試合終盤には右ウイングでもプレーした。
マジョルカのビセンテ・モレノ監督は、試合後の記者会見で今回のメンバー構成についてなど、次のように語った。
「(試合について)(国際Aマッチ期間による)中断の前に勝点3を得られて、息を吹き返すことができました。ただし、あくまでも1試合。とはいえ、私たちが求めていた結果を得られたことに幸せを感じています。勝った試合ではネガティブなことは少なく、2ゴールを奪い、無失点に抑えることができた。2点を決められれば、3ポイントは大きく近づきます」
そして、今回スタメンを変更した理由について、指揮官は次のように説明していった。
DFのアントニオ・ライロが先発復帰したものの、69分での交代を余儀なくされた。一方、28歳のフラン・ゴメスが2試合連続で左サイドバックとしてプレーし、存在感を示してきている。
「チームに何か一つプラスをもたらせる選手が常にいること、私たちにとって重要なことです。選択肢がたくさん増えますから」「ゴメスは自分の武器を発揮する方法を見出し、チャンスを掴みました」
また、久保と代わってベンチに退いたラゴ・ジュニオールについて、「ラゴは問題を抱えていたため退きました。何か起きた時、練習中からすぐ準備できるようにもしています」と説明していた。
今回、久保はそこまで目立った活躍はできなかったものの、チームが劣勢を強いられていたなか、ボールの収めどころを作り出し(たくさんのファウルを受けたが……)、再び挽回しサルバ・セビージャの2点目につなげた。
指揮官は久保には言及しなかった。ただ、そのコメントからは、「チームにプラスをもたらす」それぞれの選手の特長を組み合わせてチームの構成を考えるなか、18歳の日本代表はベンチスタートという判断になったことが分かる。今回のように、チームとしてボールの収めどころが欲しいシチュエーションで(先発、途中出場いずれも)重宝される、そういった意味での計算の立つカードにはなってきたが……真価を発揮しきれずにいる印象だ。
久保はリーグ6試合1アシスト。試合後、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の10月シリーズ(10日/モンゴル代表戦/ホーム@埼玉スタジアム、15日/タジキスタン代表戦/アウェー@ドゥシャンベ)に臨む日本代表に合流するため、チームを離れた。マジョルカでのスタメン再奪取も目標となる。
マジョルカは2勝1分5敗(6得点・12失点)で18位。中断期間開けの次節は10月19日、ホームでレアル・マドリードと対戦する。久保にとっても”大一番”になる。
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[文:サカノワ編集グループ]