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【浦和】「34」との決別―山田直輝が当初「戸惑った」湘南の3年間でどのように這い上がってきたのか

「そうすれば湘南のサポーターの皆さんから『あいつは成長したな』と思ってもらえるかなって」

山田直輝は新たに18番をつけることに。(左から)荻原拓也、柴戸海、山田、岩波拓也、武富孝介、橋岡大樹。(C)URAWA REDS

 このオフは指導者B級ライセンスを取得するための合宿に参加し、「2部練で身体を動かしてきました」と、体を絞った状態にしてキャンプに突入した。準備段階からぬかりはない。

 湘南の3年間で、山田は何を得たのか。

「チームを勝たせるための責任を負ってプレーさせてもらったことが一番大きかった。そこで勝ちに対する貪欲さやチームを引っ張っていかなといけないという、やっとプロのサッカー選手になれたというか、勝つためのサッカーを選択できるようになった。今度はそれを浦和で表現したい。そうすれば湘南のサポーターの皆さんから『あいつは成長しているな』と思ってもらえるかなって」

 もちろん湘南でもう1年プレーすれば、さらに成長できるはずだと思った。ただ、この取り戻したコンディションで浦和に‟挑みたい″という気持ちのほうが上回り、4年ぶりの復帰を決めた。

「戻るのではなく、前に進んだ自分を見せたかった」と、彼は新体制記者会見で言った。

 背番号は「34」をつけていた自分自身とある面では決別し、新しいイメージを植え付けるため「18」を選んだ。4年前まで浦和にいたのとは異なる山田直輝が来たのだという思いを込めた。

「とにかく90分走り、勝利のためのプレーをする。僕が出た試合はすべて勝ちたい」

 湘南での3年間を経て、山田は気持ちを新たに、勝利への貪欲さを剥き出しにして戦う。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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