STVV新ユニは話題のマクロン製!コロナ禍、立石CEOがベルギーの現況を語る「移籍市場はネガティブ」
シント=トロイデンの新ユニフォームが発表!(C)STVV
中村敬斗獲得の背景に、オランダリーグの“厳しさ”。
合同会社DMM.comが経営権を取得しているベルギー1部リーグのシントトロイデンVVは7月9日、2020-2021シーズンの新ユニフォームを発表した。イタリアのボローニャを本拠地にするスポーツブランドで、奇をてらわず美しさと強さを表現するユニフォームに定評のあるマクロン社のキットを今季から採用。DMM.comの村中悠介COOは「歴史あるクラブの変革にふさわしい、過去に例のない、世界一カッコいいユニフォームに仕上がったと自負しています。ユニフォームのデザインという分野においても、世界の舞台に進出できる機会を創出できたことに喜びを感じています」とコメントをした。
また、ユニフォーム発表の質疑応答では、新型コロナウイルスの影響を受けてのクラブ運営に関する質問も出た。そのなかでSTVVの立石敬之CEOは、中村敬斗の獲得とも合わせて次のように説明した。
「これまで2シーズンの評価や成果として、冨安健洋(→ボローニャFC)、遠藤航(→VfBシュトゥットガルト)、鎌田大地(→アイントラハト・フランクフルト)が各チームで大活躍をしています。そういった成果が出ているのはすごく嬉しいこと。私がFC東京にいた時、中村敬斗のことは高校時代から知っています。彼のメンタリティ、スキルともにやっていけると思います。オランダでも活躍していますし、不安はなく、期待をしています」
また、獲得の背景として、オランダリーグの実情もあったという。
「新型コロナウイルスの影響でオランダリーグはすごくダメージを受けています。オランダは放映権に比較的頼っていなくて、お客さんがたくさん訪れることからスタジアムの飲食がすごく充実しています。ベルギーリーグから見るとそこは羨ましいのですが、無観客になるとダメージも大きく、そのため(契約を結べない)判断も早く、そこで(中村獲得へ)手を挙げさせていただきました」
中村は当初ガンバ大阪からトゥウェンテFCへ2年間の期限付き移籍と発表されていたが、1年での退団に。そこでシント=トロイデンが獲得に成功した。
とはいえ、もちろんベルギーリーグもダメージは受けているという。最近の移籍市場の動きについて、次のように説明した。
「移籍市場はネガティブです。ビッグディールが少なくなっているのは事実。移籍の回転自体は多くあるものの、移籍金のかからない、金額の小さい選手に関して目立っています。相場で移籍金1億円を超えないぐらいが多く、それ以上のディールはベルギー国内ではまだそんなに聞いていません」
ベルギーのみならずビッグクラブが、年間チケットを販売できるのかどうかなど収益面で読めず、またFIFAも「第3の移籍ウインドウ」の設置を認めた。そのため移籍市場での判断も、「収支が見えたぐらいから動きが出てきそうだ」(立石CEO)と、後ろにズレてきている。
ベルギーは8月9日に新シーズン開幕を迎える。そのため欧州主要リーグの動きが出て、移籍の“玉突き”が起きるのは、すでにリーグが始まってからになる。そのあたりもイレギュラーになり、先行きが読めない状況はしばらく続く。
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[文:サカノワ編集グループ]