新潟ファビオら飲酒運転&仙台DV道渕の連日解雇、村井満チェアマンが“連携不足”指摘「事案の内容そのものより」
仙台の道渕諒平。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「事件」で3人契約解除のJリーグショック。「プライベートな内容ではあるが、サッカー選手そのものが社会での公的な存在であることを鑑みると、大変残念なこと」
J2アルビレックス新潟のファビオとペドロ・マンジーが道交法違反で書類送検(ファビオが酒気帯び運転、ペドロ・マンジーは同乗によるほう助)されたことを受けて19日に、さらにJ1ベガルタ仙台のFW道渕諒平がドメスティックバイオレンス(DV)により傷害容疑で逮捕されたことなど新たな事実発覚により20日に、連日不祥事によりJリーガーが契約解除に至った。Jリーグの各クラブの代表者による実行委員会が10月20日にオンラインで行われ、冒頭、そのことを受けて村井満チェアマンが説明。質疑応答にも応じた。
村井チェアマンは冒頭、この2件のコンプライアンス事案について触れ、実行委員会では新潟の是永大輔社長からクラブとしての総括と謝罪があったことを報告。「特にこのコロナ禍で、リーグ、クラブが果たす役割として、辛い思いをしている社会に対し、少しでも希望の存在になろうと誓い合ってやってきました。地域の皆様の期待を裏切る結果となってしまい、本当に残念なことが起きてしまったと認識しています。絶対繰り返されないように啓発と教育を繰り返していきます」と語った。
そのうえで、今回の問題的について、次のように指摘した。
「事案の内容そのものというよりは、スムーズに事態の報告・共有がクラブと連携できなかったことが一つ反省の材料になると思っています。クラブにとって、不都合なこと、リーグにとって望ましくない、こうしたコンプライアンス事案について、滞ることなく連携し対応していくことが、社会に対する期待に応えていく第一歩だと思っています。クラブも反省しているようでした」
また、仙台の問題については、ちょうど同時間帯に記者会見が行わることもあり、その内容などを受けて、改めて今後報告を受けるという。
「実行委員会の最後、仙台からもコンプライアンス事案の報告があり、報道されていることについての共有がありました。プライベートな内容ではありますが、サッカー選手そのものが社会での公的な存在であることを鑑みると、大変残念なことでございました。事実と内容に関して、事実の把握はこれから進めていくことになると考えています」
より具体的に、Jリーグの下部組織からの教育・啓蒙の大切さを強調していた。
「啓発努力はしていきますが、Jリーグのアカデミーの選手からプロを目指す子供たちを含めて、社会規範をしっかり守っていくことが、アスリートにとってとても大切であると伝えていきます。『Project DNA』(エリート選手とそのための指導者をクラブユースで育てるプロジェクト)でも、まずこうしたコンプライアンス事案がないことに努めていくようスタートさせていくつもりです。『セーフガーディング』という言葉がありますが、我々がトップチームからアカデミーまで、アカデミーのコーチに至るまで、しっかり対応していくことを申し合わせました」
さらには、このコロナ禍の不安は人の心にも徐々に影響を及ぼしているだけに、選手・スタッフのメンタル面への長期的なケアも課題になるだろう。
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[文:サカノワ編集グループ]