【浦和】なぜリカルド監督か?西野TDが3つの選定理由を語る
記者会見を行った浦和レッズの西野努TD(左)とリカルド・ロドリゲス新監督(右)。(C)URAWA REDS
コンセプトベースでチーム力を引き上げ、目標は「ACL出場権獲得」。
J1リーグの浦和レッズは1月17日、リカルド・ロドリゲス新監督の就任記者会見をオンラインで行った。会見はリカルド・ロドリゲス監督、小幡直嗣コーチ兼通訳、そして西野努テクニカルダイレクター(TD)が出席。その席上、西野TDがリカルド・ロドリゲス監督を招へいした選定理由について説明した。
西野TDはまず10位に終わった昨シーズンについて、次のように振り返った。
「『3か年計画』の1年目、変革元年というスタートで、数値目標を設定したうえでコンセプトをしっかり構築していく。コンセプトベースのチーム作りをしていくことを掲げていました。数値目標は残念ながら遠く及びませんでした。一方、コンセプトベースについては、最後まで走り闘い貫く姿勢をプレーをたくさん見せてくれるようになりました。チームとしてもそういったプレーが増えてきたと評価しています」
そして大槻毅前指揮官からの監督交代の理由についても改めて説明する。
「一方、個の観点でもたくさんの選手が成長してくれました。若手で出場機会を得た選手、外国籍選手も活躍してくれました。そうした評価はできますが、一方で2022年のリーグ優勝という目標を考えた時、成長速度では少し物足りない、間に合わないかもしれないということで、監督交代の決断をさせてもらいました」
「(『3か年計画』の)2年目は昨年の課題を踏まえて、リカルド監督にコンセプトベースのスタイルをしっかり構築し落とし込んでもらい、チームとしてのパフォーマンスを上げていくこと。そこを強く求めていきたいと思っています」
もちろん負けていい試合はなく、すべての試合で勝利を狙う。そのなかで、2021シーズン、チームの目標は「ACLの出場権獲得」に定める。
そのうえで、リカルド・ロドリゲス監督を招へいした選定理由として、西野TDは次の3つを挙げた。
「一つ目はクラブが作ってきたコンセプトベースのスタイルと合致していると判断をしました。100パーセント合致しているとは言いませんが、互いにコンセプトベースのスタイルのチームを作っていけるということで合意させてもらいました。クラブ主導のチーム作りには変わりありません(大きな枠のなかで、監督に力を発揮してもらうという意味)」
続いて「戦術家・戦略家」としての力だ。
「二つ目は、戦術家・戦略家としての能力です。レッズには才能豊かな選手が数多くいます。その選手たちの能力を最大限に発揮させるだけで、チームパフォーマンスは飛躍的に上がっていくと思います。それがいくつかのフォーメーション、戦い方を柔軟に戦うなかで、発揮できると思います。相手チームの対策にも柔軟な策を構築できて、落とし込んでいけます。そうした能力を、この個が揃う浦和で最大限発揮してもらいたいと考えました」
そして最後が「野心」だ。
「三つ目は、野心です。リカルド監督はJ1で指揮をとった経験はないものの、野心はJ1で優勝し、ACLで優勝し、そして監督としてさらなる舞台で成長していくことです。浦和レッズも野心を持ってこれまで到達したことのない領域に向かいたいと強く思っています。彼の野心とクラブの野心が一致し、一緒に成長していきたいという思いを持ち、リカルド監督を招聘させてもらいました」
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌)時代からの大きな流れは感じられる。そこから瓦解したもの、変更されてきたもの、根幹で継続されてきたもの、変えられなかったもの、そういったあらゆるものがリカの手腕によって、どのような新スタイルとなってピッチで表現されるのか。浦和は18日、始動する。
▼土田尚史SDは順調に回復
浦和レッズの戸苅淳フットボール本部長は同日、病気療養の続いていた土田尚史スポーツダイレクター(SD)について、順調に回復を続けてクラブハウスなどで部分的に業務に復帰していると報告した。全面的に回復するまではもう少し時間がかかりそうで、今後も戸苅本部長がフットボール部門を統括し、西野TDがトップチームのマネジメントを担っていく。
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[取材・文:塚越始]