【日本女子代表】女王アメリカ代表に挑む浜野まいか、ブラジル戦で得た“嬉しい想定外”
ブラジル戦に臨んだ日本女子代表の浜野まいか。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
惜しいクロスバー直撃弾、18歳のアタッカーが「決め……る!」とゴールを狙う。
[シービリーブスカップ] アメリカ女子代表 – 日本女子代表/2023年2月19日14:30(日本時間20日5:30)/GEODISパーク
オーストラリア・ニュージーランド共催の女子ワールドカップ(W杯)の前哨戦に位置づけられる「She Believes Cup」初戦、日本女子代表(なでしこジャパン)はブラジル女子代表に0-1で敗れた。
ほとんどの観客の目当ては、この試合のあとに組まれたアメリカとカナダの一戦だったなか、そのプレーで沸かせたのが、途中出場した日本の浜野まいか(ハンマルビーIF)だった。
投入直後から全力でプレスをかけて、スライディングでもボールを奪いに行き、攻撃面では1対1の局面で立ち向かっていく姿勢を見せた。
相手の逆を突く動きを繰り返し、敵陣背後へ抜け出して決定機を作り出す。さらに82分には、藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のスルーパスを受けると、しっかり振り抜いたシュートがクロスバーを叩いた。U-20日本女子代表コンビが導き出した、この日一番の見せ場だった。
浜野は16歳で、なでしこジャパンの候補合宿に招集されている。昨年9月のナイジェリア戦でデビューしたが、シュートを放つこともできず「何もできなかった」と涙を浮かべていた。
そこから進化を遂げてきた。現在弱冠18歳だが、スウェーデンにわたり、タフさも身につける。ゴールは間違いなく近づき、そして主力をも狙える位置にいる。
「サッカーは技術だけではなく、メンタルで左右されるスポーツ。そこを変えていかないと、これからやっていけないです。“じーっ”って感じです」
これは“波を作らずにメンタルを一定に保つ”という意味だという。
そしてブラジル戦では嬉しい“想定外”の収穫も。浜野は「(実際に対戦すると)いつもイメージしてるものとは違うんですが、今日はちょっと(想像していたよりも)動きやすかったんです。自分が出た後半の中でしたが、そう思えました」と言う。
何か――手応えを掴んだのではないか。浜野はそう感じていた。
「(周りと)目は合うけどタイミング一つずれてつながらず、そこは自分たちの問題。次は少ないチャンスをしっかりモノにしてゴールを決め……る!」と、“決めたいと思う”ではなく、“決める”と言い切り、自分に言い聞かせていた。
なでしこJAPANはフロリダ州オーランドからテネシー州ナッシュビルに移動。ブラジル戦から中2日で、FIFAランキング1位に君臨するアメリカと対戦する。