ポステコグルー監督がハリー・ケインとの「会話」より「練習」を希望

初の記者会見、さっそくアンジェ節炸裂。「フットボールでどのような成功を起こしたいのかを知れば、あとは練習場へ行けば実現できる」

　イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCに就任した元横浜F・マリノス指揮官のアンジェ・ポステコグルー監督が７月10日、初の記者会見を行った。

　すでにチームは始動し、クラブ公式サイトでのインタビューなどには応じてきた。今回メディアの前に登場したボスは、予想された通り、現在その去就が注目されるイングランド代表FWハリー・ケインについての質問を受けた。

　ケインにはドイツ・ブンデスリーガ１部バイエルン・ミュンヘンが獲得オファーを出していると言われる。エースストライカーはキャリアで手にしていない「優勝」を欲し、UEFA欧州チャンピオンズリーグ（CL）制覇も視野に入れるバイエルンのトーマス・トゥヘル監督からの直談判に心が揺れていると言われる。

　ケインの今後について問われたポステコグルー監督は次のように答えている。

「ここに座って、人の立場などによって態度を変えるのは私の役割だと思っていません。私は誰に対しても同じように接します。

　ハリーはこのサッカークラブの歴史において重要な人物です。世界でもトップクラスの選手。私は彼にここにいてほしいし、このクラブで成功を収めてもらいたい。彼もそれを望んでいると信じています。

　私たちが会話したところで、きっとある種の理解を得るようなものにはならないでしょう。ただ私は自己紹介し、彼がこのフットボールクラブでどのような成功を起こしたいのかを知りたい。そうすればあとは一緒に練習場へ行けば、それを実現させることができます」

　そのようにアンジェ節がさっそく炸裂。「言葉」はもちろん大切かもしれないが、何より「練習」を通じて、ともにフットボールの成功を実現させたいと強調している。

　またケインの今後で「現時点で確かなこと」は？　という問いには、「いや、確約はないし、楽観もしていません。このようなことに明確な答えはありません。今分かっているのは、ハリーはこのチームの一員であり、戻ってくるのを楽しみにしているということです」と答えている。

「私はこのフットボールクラブに成功をもたらし、いるべき場所に向かうだけです。ここには大きなチャレンジがある。最も惹かれたのはそこです。素晴らしい挑戦であり、素晴らしい物語。私たちがどのようにプレーしたいのか、みんなとどのように関わりたいのか。外から見ても分かるぐらい、いくつかの重要な原則を確立することが重要です。

　ターゲットは素晴らしいものの、ややもすると尻込みしてしまいかねない。目の前に何があろうと、そこに適応していく必要があります。プランはいくらでも立てられるが、機敏に対応しなければいけない」

　そしてポステコグルー監督は、次のようにスパーズでの日々を楽しみにしていた。

「私がここにいる理由は、クラブが変化を求めているからだと言っていいでしょう。私は今ある確かなものを生かして仕事をして、不確かなものを一つずつ取り除いていかなければいけません。フルメンバーが揃うにはまだ時間が掛かりますが、彼らと仕事を始められるのを楽しみにしています」