【横浜FM2-1G大阪】PKの『不文律』で波紋。しかしGK東口は2本目もアウトだった
G大阪の東口順昭。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
いずれにせよ、ラインを越えた選手は「なんの得もしない」点は理解したい。
[J1 23節] 横浜FM 2-1 G大阪/2023年8月12日19:33/日産スタジアム
J1リーグ23節、横浜F・マリノスがヤン・マテウスのゴールとアンデルソン・ロペスのPKで、ガンバ大阪に2-1の勝利を収めた。勝点47に伸ばして2位ながら首位ヴィッセル神戸と、しっかり勝点で並んでいる。
この試合の決勝点となったアンデルソン・ロペスのPKは、1本目、G大阪の元日本代表GK東口順昭が完璧な左ジャンプのセーブで止めた。が、VARの介入で、キックの瞬間、両足がラインから離れていたため(ルールでは、どちらかの足がラインにかかっていなければいけない)やり直しに。
そしてやり直しの2本目は、ロペスのキックフェイントから冷静に決められた。
ただこの2本目、アンデルソン・ロペスがキックモーションに入ったあと、フェイントを入れた際に横浜FMの選手3人が大きくラインを越えてペナルティーエリア内に入っていた。一人はもはやアンロペの真後ろにいる形だった。
さすがにそれはないだろうとG大阪の選手たちは抗議したが、受け入れられなかった。
この場合、もしも「キック前にラインを越えていた」選手がボールに触れてゴールに関与した場合、VARが介入できることになっている。つまりキックの瞬間、選手がラインを越えただけ、ではVARは介入できないのだ。
しかも明らかにラインを越えていると主審、副審が分かっていても見送られることが“不文律”になりつつある。とはいえ主審は1本目、2本目とも、ロペスが蹴る際、かなり執拗にラインを越えるなと、強く選手たちを制しているのが分かる。
キックモーションに入るまでは1ミリたりともラインを越えていけない。しかし動作に入ったあとはラインを越えてもOK!? という確かになかなか矛盾する状況ではある。そういった点ではツッコミどころであり、今回のG大阪の猛抗議も理解はできる。
ただし、先にラインを越えた選手は、攻撃側も、守備側も、そのあとボールに触れたプレーは無効化されるわけである。基本的にはやはり「ラインを越えていた選手は最終的に、なんの得もしない」ということは理解しておきたい。
ただ一方、注視したいのが2本目も東口はアンデルソン・ロペスのキックの瞬間、大きくラインより前へ出ていた点だ。もしも東口が再びキックを止めていても、副審の判断、あるいはVARの介入で確実にやり直しになっていた。
もちろん、本をただせば、ペナルティエリア内に仕掛けてきたエウベルを手で制御しようとした佐藤瑶大の対応こそ問題だった。全く言い訳のできないファウルだった。
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9試合ぶりの黒星を喫したG大阪だが、次に突破すべきは上位争いの壁になる。そこに突き抜けるためには、個々のディテールへのこだわりが求められる。