退任決定の岩政監督、鹿島との関係を一度解消か「このステージは一旦終わり」。記者会見で語った”悔しさと本音”
鹿島の岩政大樹監督。(C)KASHIMA ANTLERS
アントラーズとの「12年間」に感謝を伝える。
J1リーグの鹿島アントラーズは12月4日、岩政大樹監督の今季限りでの退任を発表した。クラブは2018年のAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)優勝から、5シーズン連続で無冠で終了。岩政監督は前年のレネ・ヴァイラー体制下でコーチとして就任。新型コロナウイルスによる日本政府の水際対策でヴァイラー監督の来日が遅れたため、開幕時に暫定で指揮。そしてシーズン途中から今季まで監督を担った。
岩政監督は12月3日の横浜FCとの今シーズン最終戦後の記者会見で、悔しさと本音を口にしていた。
「(コーチと監督として)2年間自分なりに全てをやり切ったと思っています。僕はここに、監督ではなく、10年間の恩返しに来たので、その恩返しという形は自分なりにやり切ったと思っています。クラブに対しても、選手に対しても、優しさがあり、(何かが)足りなかったと思います。それは監督として見た時、弱さを見せてしまった気がしてなりません。そこは自分の反省点として持ち、このステージが一旦終わります」
指揮官はそのようにすでに退任を仄めかしていた。
「予期せぬ形で始まった監督人生なので、自分の中で準備できていなかったところが、そのまま出てしまったなという反省はあります」
監督を交代してもしなくても、そこは重要ではないとも語っていた。
「鹿島はチャレンジャーとして誕生したクラブだが、いつからか常勝クラブになって、足りないものを見つけるようになり、この数か月間も、あれが足りない、これが足りないと、周りが選手たちに色んなことを言い始め、選手たちはチャレンジすることを恐れてしまう試合が続きました。僕はそこを打破したかった。しかし、やはり難しかった。ただ、その中でここまで積み上げてきたことはたくさんあり、それを最後の試合で見せ、選手たちが打ち破ってくれたと思います。
監督が変わる、変わらないは関係ありません。クラブとして積み上げていくしかない。何を持って積み上げなのか。勝ち負けは必ずついてきますが、影響されすぎることなく積み上げていくことが何よりの近道だと思っています」
できることはやった。そのうえでの「力不足」と受け止めていた。そして退任発表のプレスリリースでは、「鹿島を離れることになりました。鹿島のこと、選手たちのことを考え続けた日々でした。後悔はありません。どんな時もチームを後押しし、選手たちを支えてくれた皆様に感謝いたします。選手時代も含めて約12年間、本当にありがとうございました」と、12年間への感謝を綴っている。
こうしたフレーズからも、岩政監督は一旦、鹿島との関係自体に距離を置こうとしているようである。
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果たして次の指揮官は誰になり、どのような体制になるのか。鹿島が監督選びで、混迷を続けている。