仙台が突いた横浜の”盲点”。石原直樹スーパーボレー2発で仙台が天皇杯ベスト8
ベガルタ仙台の石原直樹(天皇杯より)。(C)SAKANOWA
「3バックのうち外国籍選手が二人。連係がとれないはずだと話していた」
[天皇杯4回戦]横浜FM 2-3 仙台/2018年8月22日/ニッパツ三ツ沢球技場
歓喜と沈黙――。石原直樹の痺れる2本のスーパーボレーが三ッ沢にコントラストを作り出す。いずれもまさに圧巻だった。
開始16分、大岩一貴の後方からのクロスに、走り込みながらゴールから約20メートルのペナルティアーク付近で合わせる難しいダイレクトボレーで、チームに先制点をもたらす。
さらに1-1で迎えた54分、右サイドを駆け上がった古林将太のクロスに、今度はDFの前へ入り込みニアで合わせ、ダイナミックに叩き込んだ。
「相手は3バックで、外国籍選手が二人。そこはうまく連係をとれないだろうなと思った。カズキ(大岩一貴)やトキ(常田克人)ともそう話していて、いいクロスが何本か入って来ていました」
そこに通りかかった湘南ベルマーレ時代のチームメイトだった中町公祐から「やめてくれよ、ここで決めるの」と言われると、「いやいや、ラッキーだったよ」と照れながら答えていた。
また仙台の渡邉晋監督は「リーグ戦とのこの天皇杯を挟んでの5連戦を戦う上で、攻撃陣は非常に調子が良かった。ナオ(石原)は点を決めていなくても、ずっと献身的に動いて支えてくれている。ただリーグ戦で1試合外す決断をして、彼に『天皇杯を獲りに行くぞ』と説き伏せ、この試合に懸けさせた。狙い通りになりましたね。それにしても素晴らしいゴール。彼でしか決められないゴールでした」と石原の活躍ぶりをたたえた。
仙台が3-2と撃ち合いを制して、ベスト8進出。今度こそタイトル──天皇杯を本気で獲りに行く。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI