【浦和-名古屋】武田英寿と三國ケネディエブスがユニフォーム交換、全国制覇を遂げた青森山田のチームメイト「次はピッチの上で戦おう」
浦和の武田英寿。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI
武田はリーグ戦今季初のベンチ入り、三國はセンターバックとしてフル出場。
[J1 10節]浦和 2–1 名古屋/2024年4月28日15:00/埼玉スタジアム2002
J1リーグ10節、浦和レッズ 対 名古屋グランパスの試合を終えたあと、両チームの選手がベンチへと引き返すなか、浦和の武田英寿と名古屋の三國ケネディエブスがユニフォーム交換をして健闘を称え合った。青森山田高校の出身である二人はこの特別な舞台での特別な日の証を残し、次はピッチで戦おうと誓った。
二人は青森山田中学、そして高校のチームメイトで、三國が一学年上の先輩にあたる。この埼玉スタジアムで決勝が行われた2018年度(ファイナルは2019年1月15日)の97回全国高校サッカー選手権で、2年生の武田、3年生の三國が中心選手として、全国制覇を成し遂げている。
その後、プロフェッショナルの道に進んだ二人は10代から移籍をしながら厳しい世界で揉まれ、自らと向き合い進化を遂げてきた。そして2024シーズン、武田はレンタルバックした浦和の一員として直近のカップ戦での活躍が買われて、この日今季初めてリーグ戦のベンチ入りを果たした。そして三國は久々のセンターバックとして先発フル出場した。
二人のこの日の対決は実現しなかった。ただ、次こそは対戦しようと、未来へ楽しみをつなぐキットを介した”エール交換”となった。
三國は武田とのユニフォーム交換について、次のように特別な想いを語っていた。
「中学時代から先輩としてヒデを知る僕個人としては、(浦和で)メンバーに入れるようになって、本当にすごく頑張っているなと思いました。(今度は対決したいですね)それを楽しみにしています。今日は勝ちたかったですが……勝負の世界なので、次、ピッチの上で戦えるように、僕も頑張っていかなければいけません」
そして武田は少し悔しいものの、大きな刺激を受けていた。
「ユニフォーム交換自体が初めてでした。ケネさんから『交換しよう』と言ってくれて、すごく嬉しかったです。大切にしようと思います(笑)。もちろん試合に出たかったですし、ケネさんの活躍もずっとチェックし、対戦相手として分析していました。対戦できるのをすごく楽しみにしていました。もっともっと頑張って、次の試合で戦いたいです」
武田が着々とステップを踏み前進できているのも、また確かである。その過程で、こうした大きな存在の先輩である三國との埼スタでの邂逅も訪れた。
22歳のミッドフィルダーは「試合には絡めてきていますが、今日は実質5人が出られるところ3人しか出られずにいたので、もっと監督の信頼を得られるように、少しの時間でも使ってもらえるように頑張っていきます」と前を向いた。
浦和レッズ『47番』と名古屋グランパス『20番』、その対決への序章となったユニフォーム交換。J1リーグでの次の対戦は20節、名古屋対浦和戦は6月26日に豊田スタジアムで行われる。
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取材・文/塚越始
texy by Hajime TSUKAKOSHI