【日本代表】19歳デビュー冨安は強調した「ベルギーに行っていなければ…」
パナマ戦で国際Aマッチデビューを果たした日本代表の冨安健洋。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
今季はシント=トロイデンで公式戦全試合フル出場中。
[キリンチャレンジカップ] 日本代表 3-0 パナマ代表/2018年10月12日/デンカビッグスワンスタジアム新潟
ベルギーリーグのシント=トロイデンに所属するセンターバックの冨安健洋が10月12日のパナマ代表戦で日本代表デビューを果たした。先月のコスタリカ戦での堂安律に続く19歳での国際Aマッチ初出場。
ロシア・ワールドカップ(W杯)に出場した31歳の槙野智章とコンビを組み、身長188センチという恵まれたフィジカルを生かし、相手にほとんどチャンスを作らせず無失点に封じた。そして19歳という若さが強調されるが、本人は意に介さない。
「堂安も同い年ですし、僕の誕生日がまだなだけで(11月5日で20歳になる)、同世代にたくさんいい選手がいて、刺激になっています。そういう選手たちにも負けないようにと思っているし、切磋琢磨してやっていきたいです」
冨安は東京五輪世代にあたり、そしてその先にある22年のカタールW杯を目指す。アジア大会で準優勝したU-21日本代表の選手たちはライバルであり、さらに一つ下のカテゴリーであるU-19日本代表はこれから、U-20ワールドカップの出場権を懸けたU-19アジア選手権に臨む。
Jリーグでも数多くの選手が活躍している。冨安はそういった同世代の活躍が刺激になっていると常々口にする。
そして実際、冨安自身も2018-19シーズンはシント=トロイデンで、3バックのストッパーとして公式戦全試合フル出場中。チームもリーグ戦で1敗しか喫しておらず(4勝5分1敗)、総失点はリーグ2位の「9」。だからこそ冨安は強調した。
「ベルギーでプレーしていなければ、まずA代表には選ばれていなかったはずです。試合に出させてもらって、本当にいい経験を積むことができています」
そのようにシント=トロイデンでプレーできていることに胸を張っていた。現在のその活躍ぶりからすると、年齢など関係なく、A代表入りは必然だったとも言えるかもしれない。
「A代表に選ばれた実感がなくて、試合前はなんだかぼーっとしまいました。ただ、まだ1試合なので、どうってことはないです。また練習からアピールしていきます」
これから日本の最終ラインを支える柱になっていけるか――。目標としていた海外移籍に続き、日本代表デビューも果たした冨安がまた一つ、強者揃いの世界への挑戦権を手に入れた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI