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【鹿島】浦和との激闘、キム・テヒョンは真っ先に観客席へ勝利の咆哮を轟かせた「サポーターの声援のお陰で、最後まで足を動かせた」

鹿島のキム・テヒョン。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

Jリーグ屈指の鉄壁を築きつつある植田直通との日韓代表CBコンビ。

[J1 30節] 浦和 0–1 鹿島 / 2025年9月20日19:03 / 埼玉スタジアム

 J1リーグ30節の注目の一戦、鹿島アントラーズが鈴木優磨のゴールで浦和レッズに勝利を収め、勝点58に伸ばし単独首位に立った。鹿島は9月23日、ホームでセレッソ大阪と対戦する。

 試合終盤、浦和の畳み掛けるような猛攻が続いた。中島翔哉の微妙な位置取りに神経を研ぎ澄ましつつ、そのアタックをゴール前で体を張って跳ね返し続けたのがセンターバックのキム・テヒョン(Kim Tae-hyeon)だった。

 そして試合終了の笛が鳴った瞬間、アントラーズの『3番』は真っ先に後ろを向いて、鹿島サポーターに向かってガッツポーズを作って両こぶしを突き上げて、勝利の咆哮を轟かせた。

 チケットが完売した満員5万3301人のなかでの大一番、アウェーで掴み取った勝点3の重さを物語るシーンだった。

「(浦和と2022年以来)7試合連続で引き分けているというこれまでの結果もあり、必ず勝ちたいという気持ちで臨みました。偉大な鹿島アントラーズのサポーターの皆さんの声援、応援のおかげで最後、足を動かすことができました」

 鹿島でポジションを掴んだことで韓国代表にも選ばれるようになったファイターは、そのように共に戦ってくれたサポーターの後押しあっての1-0の勝利だと、感謝を口にした。

「まだまだ力不足だと実感しますし、このパフォーマンスで満足してしまうと優勝を語れない選手になってしまいます。鹿島の一員として優勝を語れる選手になりたいですし、そのために毎日必死に練習することが大事だと思います」

 リーグ優勝を狙う上で、他チームにプレッシャーを与える勝利となった。決して内容には満足していなかったものの、キム・テヒョンにとって、また自信を深める勝利になったのは間違いない。

 また、韓国代表としては9月のアメリカ遠征、米国代表戦(〇2-0)で交代出場し、メキシコ戦(△2-2)ではフル出場している。ヨーロッパ組とソン・フンミンらベストメンバーが揃うなかで経験を積んだ。

「代表チームのせいで、チームでのプレーを崩してしまうことはあってはならないこと。その環境の中でパフォーマンスを維持するのが代表選手だと思うので、目標としている優勝のためにやっていきたいです」

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 植田直通との日韓代表センターバックコンビが、Jリーグ屈指の鉄壁を築きつつあるのも心強い。タフに熱く――キム・テヒョンの気迫がスタンドにも伝わってくる1-0の痺れる勝利だった。

Posted by 塚越始