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横浜F・マリノスにJリーグが「厳重注意」。ダービー発煙筒問題、法的手段を強く求める

横浜F・マリノスのエンブレム。(C)SAKANOWA

「見方を変えれば悪質な行為の被害者的な側面もある」

 J1リーグの横浜F・マリノスは10月7日、横浜FC戦でのサポータートラブルを巡り、Jリーグから「厳重注意」の処分を受けたと発表した。一方、目出し帽により顔を隠して発煙筒やロケット花火を投げ入れたとする「違反行為者に対する法的手段による責任追及を強く求める」と、今後の対応にも言及された。クラブは「悪質な違反行為に対しては法的手段を含めて毅然と対応してまいります」としている。

 Jリーグからの厳しい裁定も予想されたなか、「厳重注意」の判断が下された。横浜FMは次のように報告している。

「クラブが取り得る最大限の次善措置を講じた点は認めていただきつつも、違反行為が極めて危険かつ悪質で、周囲に重大な被害を及ぼしかねないものであったことから、再発防止の観点から、さらなるサポーター管理の厳格かつ慎重な体制構築と法的手段による責任追及を強く求める判断が示された」

 これを受けて、横浜F・マリノスは今後の対応について、次のように発表している。

「横浜F・マリノスでは、今回の事案を極めて重く受け止めております。クラブとして、再発防止に向けたサポーター管理体制の強化、ならびに悪質な違反行為に対しては法的手段を含めて毅然と対応してまいります」

 今回の決定を受けて、Jリーグからは次のような補足説明があったという。

・横浜F・マリノスはビジタークラブとして「試合の前後および試合中において、ビジタークラブのサポーターに秩序ある適切な態度を保持させる義務」(Jリーグ規約第51条2項2号)に違反しているとはいえず、取りうるべき最大限の次善措置を講じていた。

・一方、チームとしての戦況が芳しくない状況下でダービーマッチを迎える実情をふまえ、事前にサポーター団体と対話や確認が行われていたが、違反行為は目出し帽等で実行行為者の特定を困難にするといったような計画されたものであり、周囲の来場者の身体の安全を脅かし、重大な被害につながりかねない極めて危険な行為に至った。

・クラブにとって事案の発生の予見は困難であり、見方を変えれば悪質な行為の被害者的な側面もありながら、サポーターの違反行為の危険性や悪質性とそれらが周囲に与えた影響に鑑み、Jリーグは横浜FMへの厳重注意処分、再発防止の観点からさらなるサポーター管理の厳格かつ慎重な体制構築と、違反行為者に対する法的手段による責任追及を強く求めることを決定した。なお、ホームクラブである横浜FCの対応についてはJリーグ規約第51条違反の点は認められなかった。

 このトラブルは2025年7月5日、ニッパツ三ツ沢球技場の場外で“横浜ダービー”の試合前、横浜F・マリノスサポーターが行進隊列を組み、規制線を超えて行進し、隊列の中ほどから発煙筒とロケット花火が複数回発射、さらに投げ入れられたもの。

 発煙筒がキッチンカー付近の看板を直撃し、さらにロケット花火がスタッフの顔や肩に当たり衣服を損傷した。

 違反行為はタオルマフラーや目出し帽により顔が隠れた状態で行われた。実行行為者の特定が困難だったため、横浜FM側来場者に緊急的に手荷物検査が実施された。ただし開門時間が大幅に遅延し、大部分の横浜F・マリノスサポーターがキックオフ後の入場となった。

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 違反行為は計画的なもので、事情を知らないサポーターを隊列に巻き込んで大きな集団を形成し、その中から顔を隠すなどして巧妙に行為者の特定を防ぎながら敢行された。