ボランチ起用の鈴木優磨「やっと本職でやれました」。鬼木采配に「大胆だったと思います。ただ…」│鹿島 1-1 浦和
鹿島の鈴木優磨(左)とチャヴリッチ。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
濃野公人のシュートに浦和が集中、鈴木から展開した…「多分、植田くんはビックリしたと思います」。
[J1 6節] 鹿島 1–1 浦和/2025年3月16日14:00/県立カシマサッカースタジアム
J1リーグ6節、鹿島アントラーズが浦和レッズとのホームでの一戦、前半ラストプレーで先制されたものの、土壇場の90分、鈴木優磨を起点に植田直通のパスから知念慶の執念の同点ゴールにより1-1で引き分けてみせた。鹿島は4連勝でストップしたものの、ホーム26試合連続無敗のJ1記録を達成した。
鈴木優磨は試合後、「やっと本職でやれました。(ずっとやりたかった?)やりたかったです、はい。(ボランチのポジションを告げられた時は)ちょっと元気が出ました」と、少し嬉しそうに語った。
交代出場したものの知念慶が足を痛めたことで、守備の負担がかからない前線へ起用。そして指揮官は「ボールを握るのが元々好きな選手」と鈴木をボランチに起用し、土壇場のゴールに結実させた。
「(鬼木采配は)大胆だったと思います。ただ、今日の結果に関しては誰も満足していません。前半は、みんなに伝えましたけれど、ボールを受けたがらない選手があまりに多かったので、こうなると試合はキツくなるので、もっと前から行こうと伝えました。
後半は相手が多少引いたとはいえ、勇気を出してやれました。今日の結果はもちろん下を向く必要はないものの、もっとできたとみんな思っているはずです」
この日はレオ・セアラとの2トップで先発。後半途中からは左MFにも回り、チャヴリッチ、そして徳田誉が前線に立って圧力を強めた。
「鬼さんが自分をサイドで起用する時は、そこで起点を作りたい時。相手(のサイドバック)が今日は本職ではない関根選手だったので、そこで起点を作って押し込むというのが欲しかったと思います。(サイドなど中盤でのプレーは)面白かったです」
ただし鈴木自身も失点しないことを念頭に置いていたという。
「いやもう危険なエリアへどんどんボールを入れていこうと。ただもう1点決められると終わってしまうので、失点しないように相手の危険なエリアへボールへ入れていくこと。その意識は共有できていたので、追い付けて良かったです」
スクランブルな状況で、鈴木から植田直通、そして植田から知念とつなぎ――。鹿島の全員の想いが結実した知念の同点ゴールとなった。
「みんなキミ(濃野公人)のシュートを警戒していて、そこに食いついていたので、多分、(ボールが来た)植田くんはビックリしたと思います。植田くんがいることまでは分かりませんでしたが、あのエリアにボールを出せればチャンスになると思っていました。相手が食いついてくれていたので、あとは植田くんと知念くんがよくやってくれました」
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鬼木監督の狙う意図を鈴木が一つひとつ理解し、それを遂行していったことが分かる。そういった背景を踏まえても、鬼木監督のもと、鹿島が着実に進化を遂げている感じ取れる、価値ある奇襲と執念のゴールとなった。