Jリーグ、秋田豊氏のパワハラ認定。高知ユナイテッドに罰金100万円とけん責処分
高知ユナイテッドのエンブレム。(C)SAKANOWA
クラブ内では、秋田前監督に権限が集中。「強化部も注意や助言を行うことができない体制になっていた」
Jリーグは10月7日、J3リーグ高知ユナイテッドSCの秋田豊前監督のパワーハラスメント行為を認定し、クラブに対し100万円の罰金とけん責の処分を科した。
Jリーグは、秋田前監督が今年2月から6月にかけて選手とスタッフに行ったハラスメント行為について、Jリーグ裁定委員会の諮問と答申を経て、クラブの管理監督義務違反を認定。Jリーグの社会的信用を毀損したとして、罰金100万円、けん責(始末書をとり、将来を戒める)の懲罰処分を科した。
秋田氏はすでに監督を退任しJリーグの懲罰権が及ばなくなっているが、裁定委員会を経て「けん責」相当に該当すると確認された旨を本人に通知したという。
この懲罰が決定した背景について、Jリーグは次のように説明する。
・日本プロサッカー選手会からハラスメント行為の事実を伝えられて問題を認識したあと、速やかに秋田前監督を休養させて、被害申告をした選手・スタッフと接触しないよう図り、外部の弁護士で構成する調査委員会を立ち上げて調査に着手した。
・ハラスメント行為に暴力など「有形力」の行使は含まれていなかった。
・ハラスメント行為に関する相談窓口の設置など相談体制を構築しておらず、選手やスタッフは外部の選手会に申し立てるほかなかった。
・ 事実上秋田前監督にあらゆる権限が集中し、強化部も秋田前監督に注意や助言を行うことができない体制になっていた。今回認定された行為の一部は、強化部、コーチなどがいるところでなされており、是正する機会があったもののけん制機能は働かず、選手会から本件の各行為の事実が伝えられるまで放置、継続された。
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高知は公式サイトで、「改めて、日頃ご支援・ご声援をいただいているファン・サポーターの皆様、関係者の皆様に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。