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【日本代表】「後ろ髪を引かれる想いで選手は来ている」森保監督の切実な訴え、Jリーグはどう受け止める? ルヴァンカップの大一番をインターナショナルマッチ期間に開催

日本代表の森保一監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

遠藤航に代わるJリーグからの選手招集を断念、「サッカー主要国ではあり得ない」と厳しく指摘。

[キリンチャレンジ杯]日本代表-パラグアイ代表/2025年10月10日 19:20 /パナソニックスタジアム吹田

 サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)の森保一監督が10月9日、翌日のパラグアイ代表戦に向けた公式記者会見に臨み、「勝つために得点を奪うことにこだわりたい」と、ゴールと勝利への想いを語った。

 また、この記者会見の中で、遠藤航の負傷による不参加に伴い、国内組の招集を検討したものの、ルヴァンカップ準決勝を優先したいJクラブのチーム事情などを考慮して、追加招集しなかったと明かした。

 そもそもインターナショナルマッチウィークに、公式戦の大事な試合を組むことは「サッカーの主要国にはない」と森保監督は、一向に改善されないJリーグの過密日程による弊害である、カップ戦のこの期間の開催に疑問を投げ掛けた。

 遠藤の負傷による不参加が月曜日に決まり、ルヴァンカップ準決勝に臨んでいる4チームの中にいる選手の火曜日の追加招集を考えた。しかし森保監督は「タイトルの懸かった試合、準決勝に向けて準備している選手を呼ぶことは良くないと考え招集しませんでした」と明かし、このタイミングで重要な試合を組むJリーグの日程に疑問を投げ掛けた。

「JFA(日本サッカー協会)、Jリーグは選手ファーストを考え、日本サッカーの発展のため、いろんなことを考えて日程調整をしてくださっていると思います」

 森保監督はそのように理解を示したうえで、「代表の活動とJ1(ルヴァンカップ準決勝)の舞台、同等の戦いが日程的に重なることは世界の中でもほとんどなく、サッカーの主要国ではまずあり得ないことだと思います」と、日本ではドメスティックな規定のまま開催が続いていると指摘する。森保監督は元Jリーガーとして日本代表に選ばれ、サンフレッチェ広島の監督を務めていた時代もあるだけに、その言葉はより重みがある。

 そして2026夏からのシーズン移行にも触れ、「選手の招集に関して、IW(インターナショナルマッチウィーク)には選手を選べる未来につながっていけば良いかなと思います」と訴えた。

 また森保監督は、決して「JFAだけのメリットという考え方ではありません」とも強調する。

 これまでも指揮官は苦い思いで、インターナショナルマッチウィーク期間、国内組の選手たちを招集してきたという。

「(J1から選手を招集する場合)公式戦があるなか、代表戦へ選手たちは覚悟を持って来てくれています。一方、代表活動の時にやる自チームのことは気になります。これはアジアカップ開催中のヨーロッパ組の選手も同じ状況ではあります。やはり後ろ髪を引かれながら来ています。 全て集中して戦わなければいけない状況でも、集中し切れていないところも出てくると思います」

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 そして森保監督は「そこは選手ファーストを考えて、選手が思い切って活動できるように。また日本のサッカーの環境も変わっていくと有難いなと思います」と改善を求めた。

Posted by 塚越始