【北中米W杯】サッカー新時代!? 実質『22分30秒×4本制』、FIFAが全試合で前後半3分間ずつの給水タイムを設けると発表。CMへの配慮か
水を手にする日本代表の遠藤航。写真:徳原隆元
20分頃に負傷者が出た際など、状況に応じて臨機応変に対応。
FIFA(国際サッカー連盟)は12月8日、2026年に開催されるFIFA北中米ワールドカップ(W杯)の全試合で、前後半それぞれ22分を目処に「3分間の給水タイム(クーリングブレイク)」を必ず設ける新ルールを導入すると正式発表した。
気象条件にかかわらず一律で実施される。FIFAは「大会全体を通じて選手の安全を最優先するため」と説明している。これまで給水タイム(Jリーグでは「飲水タイム」)は極めて気温や湿度など、特定の条件下で行われてきた。しかしFIFAは、今夏アメリカで開催されたクラブ・ワールドカップ(クラブW杯)など近年の大会の経験を踏まえ、この制度を簡素化して統一する方針を決めた。
この決定により、気温、屋根の有無、開催地に関係なく、すべての国・地域が同じ条件で試合を行うことになる。ワシントンD.C.で開催された世界放送関係者会議(World Broadcasters Meeting)で発表され、FIFAのチーフトーナメントオフィサーであるマノロ・ズビリア氏は次のように説明した。
「前半と後半それぞれ、3分間の水分補給による休憩を行います。これは全試合で実施され、ホイッスルからホイッスルまで3分間となります」
給水タイムは各ハーフの22分が目安になる。例えば20分あたりで負傷者が出て試合が止まった場合には、「当然、審判が協議してその場で対応することができる」と述べ、状況に応じて柔軟に運用されるとも説明された。
一部では、各国テレビ局がCM枠を確保しやすくするための施策だとも指摘されている。一方、試合がエキサイトしてくる60分過ぎの後半途中の給水による中断には、試合をぶつ切りにして、興奮を冷ましてしまうという批判的な声も根強い。
またFIFAからは給水タイム以外にも、2026年大会に向けた運営準備状況が示された。FIFAは出場チームとファンの移動負担を最小化し、各国が十分な休息日を確保できるよう、スケジュール全体を調整しているという。
会場の平均気温、冷却インフラ、公共交通機関、セキュリティなどの分析も進んでおり、医療、放送、興行面など複数部門との協議を経て決定されていく。
さらに、ダラスのケイ・ベイリー・ハッチソン・コンベンションセンターが国際放送センター(IBC)に指定され、約2000人の放送関係者が最新設備を利用できる見通しだ。IBCの設置は1994年の米国W杯に続くものとなる。
FIFAは、メキシコシティ、トロント、ロサンゼルスの3都市で開幕式を行うこと、ニューヨーク・ニュージャージーでの決勝では大会史上初の「ハーフタイムショー」を実施すると明らかにした。
北中米W杯は来夏6月から7月にかけて、カナダ・メキシコ・アメリカの共催で開催される。『実質22分30秒×4本制』とも言える新方式が、果たして世界最大の大会でどのような影響を及ぼすのか!? サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)森保一監督の采配も変わってくるだろう。
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こうしてサッカーは実質4本制の新時代に突入していくのだろうか。




