有料note◎「あれ? 俺帰れないのか」歓喜の夜に立ち尽くした話。鹿島アントラーズ新スタジアム構想、最大の課題『アクセス』を問う

メルカリスタジアム (C)SAKANOWA

1. 人いきれの途絶えたスタジアム、鹿嶋の恐怖が襲いかかる。

 鹿島アントラーズが9年ぶりのリーグ優勝を果たした2025年12月6日、横浜F・マリノス戦のあとのメルカリスタジアムは、本当に幸せに包まれていた“日本一”特別な空間だった。最終節のホームラストゲームでのリーグ優勝――大晦日と正月が同日に来たような、「優勝チーム」しか味わえないクライマックスであり、最高の歓喜であり、誰もが経験できるわけではない贅沢なあわただしさだった。

 そのお祭りムードに後押しされるように、記事を書いていった。選手たちのコメントも熱くて温かかった。鬼木達監督は「サポーターが勝たせてくれる雰囲気を作ってくれた」と感謝していたが、実際、スタジアムに入った瞬間、さまざまな年代のユニフォームを着た老若男女のサポーターたちにより“大丈夫。俺たちが勝たせるから”という空気が作り出されていた。

 おぉっと、そろそろだな。

 鹿島神宮駅から東京駅に向かう高速バスの最終は21時20分だ。メディアは取材を終えたあと、自家用車で来ていない限り(あるいは、誰かと同乗で来ていない限り)、鹿島神宮駅までタクシーで行き、東京駅直行バスに乗らなければいけない。

 他に選択肢はない。

 もちろん、この日は簡単にタクシーを予約できないだろうとは思った。少し早めに、20時30分を過ぎたところで、スタジアムまでタクシーを予約するため電話をした。

「いやー。全然空いていなくって。そうですねえ…30分はかかるかなぁ」

 まあ、大丈夫だろう!

「はい、わかりました。よろしくお願いします」

 すると約30分後。予定通り、タクシーが1台到着した。

 良かった……と安堵したのもつかの間だった。

「日刊スポーツのKさんですか?」  

 タクシードライバーが振り向いて確認する。

 違ったか……。そもそも自分が連絡した会社と異なっていた。

 ただ、なかなかKさんが来ないし、時間は刻々と経っていくので、「やっぱ自分です」とか言ってしまおうかという邪心の呟きも心のなかで強まりつつあった。

 21時が迫る。そこで悟る。

「あれ? 俺、これ帰れないのか?」

――◇――◇――◇――◇――

※この先では、鹿島の動員データ、首都圏からの流入比率、輸送キャパシティなどを整理し、「なぜアクセスが限界を迎えているのか」を構造的に分析する。さらに浦和、町田、相模原、水戸の事例や、ドイツの「スタジアム直結駅」の状況なども踏まえ、鹿島が抱える課題を切り分け、新スタジアム時代に求められる現実的な解決策まで提示する。

続きは有料noteで▼
もう少し広く、深く(そして楽しく!)議論していくためのきっかけになれば幸いです
https://note.com/about_soccer/n/n6cf6735c0b3b

Posted by 塚越始