J2降格ピンチの柏…小池龍太が痛感した鹿島との「泥臭さ」の差
柏レイソルの小池龍太(13番)(写真はACLより)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
様々なデータが柏が上回ったがまたも勝てず。「差を見せつけられました」。
[J1 32節] 鹿島 3-2 柏/2018年11月6日/三協フロンテア柏スタジアム
J2自動降格圏の17位のまま、残り2試合へ――。小池龍太は試合後、どうにかしてこの状況を打開しようと、言葉に紡ぎながら整理していった。
鹿島に先制点を許したものの、瀬川祐輔の2ゴールで一時2-1と逆転しリードした。
「ここ最近の中でも狙っているサッカーをできていたと思いますし、いろいろ話し合ってきたなか、4枚(4バック)でシモさんのときから培ってきたものをもう一度トライし、深いところをとったり、相手の嫌がることをやり続けることを狙ったりと、意識してやっていました」
そのような柏のプランはしっかりハマり、ポゼッション率は66パーセント対34パーセント、パス本数は677本対353本、パス成功率は85パーセント対75パーセントと、相手を上回った。しかし――。
終わってみれば、またも勝てなかった。2-3で敗れ、勝点1さえ上積みできなかった。「結果」を残せなかったことで、小池は次のような鹿島との差を感じていた。
「最後のところで、もう一つ、体を投げ出したり、ぶつけたり、押し込んだりしないといけない。きれいな形でなくていいから、守るところ、決めるところは、泥臭くやらなくてはいけなくて、そこは相手のほうが勝ったというところは、DFである僕としても反省すべきところでした。そういうったところで、チームを救えなかったことがすべてかなと思います」
運もあるかもしれない。が、その過程にも課題があると言う。
「体にぶつかるとか、股を抜けるとかは『運』ももちろんあります。ただ、そういうところに最後まで帰る、枠にボールが飛んでもラインを越えるまで諦めないっていうところ(伊東純也のシュートが、小田逸稀にヘディングでクリアされる)。常にそういった戦いをやってきているのが鹿島。そんな選手たちが揃っているからこそACL決勝に行ける、その差を見せつけられました。もっと泥臭くやらなければ勝てない相手だと、全員が分かったというか……。もちろん僕たちがやっていないわけではないけれど、もっとやらなければいけないと、改めてもう一度勉強させられました」
この試合は鹿島のACL決勝進出に伴い前倒し開催されたため、柏は33節の11月24日まで時間が空く。この期間を上手く生かさなければならない。どう生かすか。
まだ他チームが32節の試合をしていないこともあるだろう。小池は少し考え込んでから答えた。
「うーん……正直、難しいです。負けたところを整理することが大事ですが……まったく違ったサッカーに変えたほうがいいのか、それは僕らが決めることではない。僕個人的には、やっぱり今までやってきたサッカーで最後までやり続けたいですし、あと2試合、何より本当に良い、納得のいくサッカーをやりたい。ここまでこういう状況になったのも僕たちの責任。選手のいたらないところで本当に悔しいです。ラスト2試合で、強いレイソルを取り戻す意味で、気持ちのこもった『これがレイソルだ』というサッカーをしなければいけない。タニくん(大谷秀和)もはじめ、ベテラン勢もそう言ってくれています。そうしたことで例えばプレーオフなどの可能性も出てくるかもしれませんし、そこに向けての試合だと思って、残りやりたいです」
強いレイソルを取り戻したい――。開幕時に見せたような、あの太陽のように燃え輝いていたレイソルサッカーが、こうして2018シーズンの紆余曲折を経たうえで、どのように逞しくなったのか。今季最高のスタイルで、まずは連勝で締め括りたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI