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日本サッカーの試み。森保A代表にU-16とU-19のコーチ融合「選手のみならず共通認識図る」

メンバー発表の記者会見を行った森保一監督(右)。左は関塚隆技術委員長。(C)SAKANOWA

A代表&U-21代表の同時活動により斉藤、秋葉コーチが抜擢される。

 11月の代表活動期間、A代表と東京五輪チーム(現U-21日本代表)を兼任する森保一監督はA代表に専念する。そのためUAE遠征を行うU-21代表は、A代表の横内昭展コーチが代行監督を務めることになった。

 また、そうした状況を踏まえて、今回のトップチームには、U-19日本代表の秋葉忠コーチ、U-16代表の斉藤俊秀コーチが加わる。コーチも世代の枠を越えた「融合」を図ることで、各世代のチームにも共通認識を持たせる。そんな森保ジャパンを頂点とした体制作りが見えてくる。

 もちろん指導者間のつながりはこれまでもあった。ただ多くの外国人監督が率いてきたA代表を頂点とした体制で、ここまで幅を広げた強化・育成策は取られてこなかった。日本サッカー協会の新たな試みとも言える。

 森保監督は11月7日の日本代表&U-21代表のメンバー発表の記者会見で、U-19、U-16世代からのコーチ抜擢について、次のように説明した。

「今後もこのような形になるかは分かりませんが、二つの活動(A代表とU-21代表)を同時にするにあたり、各世代のアンダー19、16のアジア選手権を戦った影山ジャパン(U-19代表)のコーチ、森山ジャパン(U-16代表)のコーチにA代表の活動をサポートしていだきたいと思いました。

 その活動のなかで、我々がやっていることをアンダー世代の代表コーチにも分かってもらう、経験してもらうことで、影山ジャパン、森山ジャパンとの共通認識を持てるようにと考えています。もちろん全てのチームをコピーしたようなチームにするのではなく、どの世代も日本代表としての誇りを持ち、日本人の良さを持って戦えるようにと取り組んでいるなか、選手のみならずスタッフも共通認識を持つことで、各世代の融合ができればということを思っています」

 そのように森保監督は、スタッフが共通認識を持つことで、選手の融合もスムーズに行っていきたいと方針を示した。

 また、今回同時にA代表とU-21代表、2チームのメンバーを発表した。その選考の難しさについて、次のように語っている。

「選手選考は毎回難しく思っています。できれば、もっと多くの選手を呼んで活動できればという思いは持っています。日本代表を目指している、力になりたいと思っている選手たちを招集できない難しさは感じています。

 (アジア大会などを戦った)U-21代表からA代表へのスライドはなかったが、東京五輪チームの選手をどのようにA代表に引き上げて経験してもらうか、どういう環境作りをしたらいいかは、コーチを含めていろんな考えを聞きながら、何がベストかを考えてやっていきたいと思います」

 この11月は2チームの同時活動により、むしろいろいろな面での融合が進みそうだ。森保監督が、斉藤、秋葉両コーチからU-19、U-16代表の選手についての情報もいろいろ知る機会にもなる。世代別代表のコーチのA代表参加による様々な波及効果がこれから起きそうだ。

文:サカノワ編集グループ

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