【なでしこ】長野風花は「6月の壁」を越えられるか。強豪ノルウェーと激突!
ノルウェー戦に向けた合宿でトレーニングする長野風花。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
出場機会を得られなかったニュージーランド遠征。「プレッシャーが強いなかで身に付けた、判断の速さを出したい」。
[女子国際親善試合] 日本 – ノルウェー/2018年11月11日/とりぎんバードスタジアム
ノルウェー女子代表との今年最後の国際親善試合を行うなでしこジャパンで、一際期待を集めている選手がいる。FIFAU-17、U-20女子ワールドカップを制し、その主軸として成長してきた長野風花だ。
2019年のFIFA女子ワールドカップ・フランス大会、そして2020年の東京オリンピックを視野に入れて、浦和レッズレディースから韓国WKリーグの仁川現代製鉄へ移籍して、経験値を積み上げている。
長野が念願のなでしこジャパン入りを果たしたのは、6月のニュージーランド遠征だった。しかしユースカテゴリーでは輝かしい活躍を見せている長野とはいえ、トップの代表チームとなれば、簡単に立てるピッチではなかった。結局、出場の機会はないまま遠征を終えることになった。
「悔しかった」と振り返る長野はその後、U-20女子代表として世界を制し、より自信を深めた。まさに満を持しての今回の招集であり、彼女はしっかり自分自身とも向き合いプレーできている。なでしこジャパンのトレーニングで最もそのスピード感を体感するのが、スペースを限ったエリアでのミニゲームだという。とにかく展開が速い。6月の遠征時には少々面食らっていたが、今回はしっかり食らい付いている。ゲーム形式のメニューでも変幻自在ななでしこジャパンの中盤で、長野の特長でもある鋭いパスを放つ姿を見せていた。
「プレッシャーが強いなかで、状況判断の速さを、この半年間で身に付けてきました。自分の良さを出したい」
長野はそのようになでしこジャパンでの奮闘を誓う。28人(三宅史織が途中離脱)という大所帯ではあるが、出場のチャンスは訪れるか。ノルウェーという強豪を相手に、この変化に富んだ一年で得たものを今度こそ、ピッチで見せてくれるはずだ。
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA