「あまり覚えていない」田中隼磨が殊勲の決勝弾。松本がJ1昇格王手
松本山雅FCの田中隼磨。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
上位4チームすべて勝利を上げ、勝点3差で最終節へ。
[J2 41節] 栃木 0-1 松本/2018年11月11日/栃木県グリーンスタジアム
前節首位に立った松本山雅FCはアウェーでの栃木SC戦、72分の田中隼磨のゴールを1-0で守り切り、勝点を76に伸ばした。
粘り強く耐えながら、チャンスが到来するのを待っていた。迎えた72分、左サイドのゴールラインぎりぎりの付近から石原崇兆が折り返す。ボールがDFの間をすり抜け、右サイドから中央に入っていた田中が泥臭く左足で合わせゴールネットを揺らした。
その後は栃木のパワープレーを耐え凌ぎ(ボールの収めどころがないのは最終節の課題か)、貴重な勝点3を掴んだ。
田中は試合後、「みんながつないだボール。石原から素晴らしい形で来ました。あまり覚えていないですけれど、気持ちで決めることができました」とゴールシーンを振り返った。
「僕たちがするのは、勝つことだけ。今日はとにかく勝って終わろうと、みんなで話していました。これだけたくさんのファンやサポーターが僕たちを後押ししてくれて、本当に心強かったですし、この勝利を無駄にしないためにも、最終節、必ず勝って昇格と優勝を決めようと、あと一つあるから、気を引き締めてやろうとピッチ上で話していました。次の試合、プレーで示したいです」
11月17日(14時開始)、最終節はホームでのヴォルティス徳島戦(チケットは残りわずか)。松本は勝てば3年ぶりのJ1復帰と優勝が決まる。41節は上位4チームがすべて勝利を収めたため、勝点3差で、J1昇格ライセンスのない町田以外いずれも昇格と優勝の可能性を残している。
「勝つことだけをしっかり考えて、また明日からのトレーニングで100パーセントの力を出して、いい状態で試合を迎えられるように。最終節はファン、サポーター、クラブ全体で勝って迎えたいです」
そのように松本の背番号3、田中は胸を張って言った。最終節、サンプロアルウィンでの背中を押す大声援のなか――痺れる一戦になる。
文:サカノワ編集グループ