【日本代表】山中亮輔との関係性で原口元気が気に留めていたこと
キルギス戦で先発し、日本の左サイドを形成した原口元気(左)、山中亮輔(右)が、いずれもゴールを奪取。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
FKでのゴールには「決めたって、言っていいのかな…」と苦笑い。
[キリンチャレンジカップ] 日本 4-0 キルギス/2018年11月20日/豊田スタジアム
日本代表の原口元気がキルギス代表戦で直接FKから、チームの2点目を奪った。原口にとっては、ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦のベルギー戦以来、日本代表通算8点目。実に日本が決めた5年2か月ぶりの直接FKでのゴールとなったが、GKのミス(ファンブルしてゴールイン)から生まれたとあって、試合後は「まあ、でも…決めた、って言っていいいのかな……」 と苦笑いを浮かべた。
2013年9月のチュニジア戦で遠藤保仁が決めて以来の直接FK弾となったが、「いやぁカウントしないでほしいですねえ。ゴールはゴールなんで、良かったなとは思いますけれど、思いどおりに蹴れたわけではなかったですし」とつれなかった。
この日は日本代表デビューを果たした山中亮輔と左サイドを形成。山中は開始2分に、そして原口は19分に、それぞれゴールを決めて、目に見える結果は残した。
「彼(山中)が前へ行ければ良いと思っていました。自分が間などで受けながら、なるべくアイツを前へ、前へと」
原口自身が積極的に仕掛けるのではなく、山中を生かしながら攻めていくことを考えたと言う。結果的に、2点目の直接FK弾も山中と絡んだ原口の仕掛けからチャンスを掴んだものだった。
「もちろん、彼のことだけを意識してプレーしていたわけではありません。チーム全体として考えながらプレーしていました」
そして原口は色々なことを考えてプレーしていたこともあり、「難しかった」と繰り返した。そこには自身のストロングポイントを出し切れないもどかしさも感じられた。
来年1月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されるアジアカップに向けて原口は、「相手どうこうってわけではない。自分たちがやれることを出すことが大切」 と強調していた。今ではチームのバランサーとしても不可欠な存在になってきたが、本人もやはり、狙った形からの一撃を欲しているのは言うまでもない。原口のスカッとするゴールもそろそろ、アジアカップの舞台で見せてもらいたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI