【浦和】復帰後ホーム初勝利の原口元気「東京V戦のあと『何しに帰ってきたんだよ』と言われ、『確かに』と思う自分がいた」
浦和の原口元気。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI
スルーパスからPK獲得。10年ぶりの『We are Diamonds』の合唱に「感情的になった」。
[J1リーグ 25節] 浦和 1–0 柏/2024年10月23日19:33/埼玉スタジアム2002
J1リーグ25節、浦和レッズは90+10分に得たPKをチアゴ・サンタナが決めて、柏レイソルに1‐0の勝利を収め、勝点を42に伸ばした。降格圏18位のジュビロ磐田との勝点差を7に広げ、J1残留へ大きく近づいた。
原口元気は前節0-1で敗れた東京ヴェルディ戦のあと、関根貴大と中心になって選手ミーティングを行ったという。この柏戦に向けて、「何とかしなければならない思いでした。勝たないと本当にしんどい流れになるのは理解していました。この流れを食い止められるのは、僕らにしかできなかった」と結束を呼び掛けたという。
この日は75分にサミュエル・グスタフソンと代わって途中出場。その気持ちが込められたように右足から放たれた関根へのスルーパスから、チアゴのシュートにつながり、相手のハンドによるPK獲得につながった。
原口は「(パスを出した時)タカ(関根)の反応が少し遅れたけれど、逆にそのお陰で、オフサイドになりませんでした」と安堵の表情を浮かべた。
この日の原口は意識的にいつもより前めのポジションを取り、それが功を奏したという。
「相手も疲れていたので、スペースがあればドリブルで入って、チャンスを作ろうと思いました。柏が(後ろにかなり引いて)前に出られない感じだったので、高い位置をとっていいかなと思い、そこで(パスを)待っていました。前に人数をかけられたことで最後、あのような形(PK)につながりました。あの位置(ゴールにより近い位置)でプレーできると何かが起こせるかなと思いますし、プレーしていて楽しいです。やっぱり(自分は)前めの選手だなと」
浦和のホームゲームの勝利は6月30日の21節・ジュビロ磐田戦(〇3-0)以来、約4か月ぶり。原口にとって、サポーターとともに歌う『We Are Diamonds』は10年ぶりだ。
「かなり感情的になりましたし、毎週のように聞きたいなと思います。一回歌って、満足するのではなく、次も次も歌えるようにしたい。来シーズンは毎試合、歌えるようにと思いました」
来季のJ1残留に向けた大きな1勝ではある。とはいえ、そんな状況に原口は決して満足していない。
「1勝して喜んでいる場合じゃないという気持ちが強い。残留争いをしてなにを喜んでいるんだろうと。(東京V戦後)サポーターには『何しに帰ってきたんだよ』と言われ、『確かに』と思う自分がいました」
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リーグ戦は、残り5試合。延期分があるため、他チームより未消化数も多い。プレッシャーからは一旦ある程度開放され、スコルジャ監督のもと、何かしら新たなトライをできる環境にはある。そのなかで元日本代表である『78番』原口が、チームをグッと前向きにする推進力を与えてくれるはずだ。