清水対神戸戦騒動。ウェリントンに投げられた?物体も重大な問題だ
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ピッチに入り、選手を小突いたスタッフも違反行為にあたるのでは。
[J1 33節] 清水 3-3 神戸/2018年11月24日/IAIスタジアム日本平
アディショナルタイム19分50秒の間に負傷者が二人、退場者が一人、そしてGK六反勇治のゴール、さらに乱闘騒ぎと多くの出来事が起きた、33節の清水エスパルス対ヴィッセル神戸は、何とも後味の悪い一戦となった。
そのアディショナルタイムに投入されて退場処分を受けたウェリントンが、同15分以降に起きた乱闘の火種になったように言われている。
ただ、そのシーンを振り返ってみると、決して、彼だけの責任ではなかったのではないか、ということも見えてくる。
まずスローインからのリスタートで、ウェリントンが石毛秀樹を猛烈な勢いで倒す。そこで笛が鳴った。
すると、清水のベンチから数人がピッチに飛び出している。さらに清水のベンチ(スタンド?)の誰かがプラスチックのバーを叩きつけ、それがピッチ内に飛んだ。
それが自身に向けて投げつけられたと感じたウェリントンが、それを拾って清水のベンチに戻している。すると、清水のスタッフがピッチ内に入り、ウェリントンの胸を突いている。
これが引き金となり、誰だお前はと言わんばかりにウェリントンは押し返し、両チームの選手とスタッフが入り乱れての乱闘騒ぎになっていった。
日本平の臨場感とピッチの素晴らしさは紛れもなく日本一である。ただスタンド、ベンチ、ピッチと非常に近いサッカー専用スタジアムだからこそ、第三者(スタッフ)が試合中のピッチに入ることもまた、あってはならない行為だったはずである。
いろいろなことが起こりすぎて整理するの難しい。ただ試合中の誰かの行為によって大きなプラスチック片がピッチに飛んでいったこと、それが実際問題として選手に向かっていったこと、それもまた重大な問題である。
それはないだろうと、清水ベンチに主張したウェリントンだけが退場処分を食らったことで、彼の怒りをさらに助長した。見方によっては、ウェリントンが主審と話していところに割って入ったGK六反を倒した(どかした)ことだけに目を向けてしまうと、話が曲解されていく危険性も感じる。
NHKによると、ウェリントンや審判団がJリーグの規律委員会から聴取を受けるという。ただ、彼だけのせいで、こうした騒動が起きたわけではない。ラフプレー、アフターチャージ、ピッチ外での小競り合いなど、いずれも許される行為ではない。ただ何かがピッチにいる自分に対して投げ込まれたという危険を察知した、ウェリントンの立場にもまた立って考えてもみたい。
文:サカノワ編集グループ