オリヴェイラ監督がサポーターに異例の要請「天皇杯鹿島戦の前日練習を公開します。“浦和”のパワーを与えて下さい」
浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督。(C)SAKANOWA
12月4日の練習に「横断幕や旗をぜひ持参して来てほしい」。
[J1 34節] 浦和 3-2 FC東京/2018年12月1日/埼玉スタジアム2002
「最後に一つお話があります。サポーターの皆様への呼びかけをお願いできますか」
浦和レッズがJリーグの今季最終34節のFC東京戦で3-2の勝利を収めたあとの記者会見、質疑応答が終わるとオズワルド・オリヴェイラ監督はそのように切り出した。
「サッカーのクラブチームはそれぞれの特徴を持っています。そのなかで浦和にはには、他にはない素晴らしいサポーターがいます。そして、サッカーが息づく街です。
チームとサポーターがともに歩む街で、切り離して考えることはできません。そして浦和のサポーターの皆さんの存在が、チーム全体のメンタルにも大きな影響を与えています。
私はこのスタジアムに入るとき、いつも感動しています」
オリヴェイラ監督は常に「浦和」をそのようにサッカーの街として尊敬してきた。そして指揮官は力を込めて言った。
「水曜日(12月5日)の天皇杯の準決勝(鹿島アントラーズ戦)に向けた前日練習(12月4日)、その移動日にあたる練習は普段、非公開で行われます。
今回は公開にして、たくさんのサポーターの方々に来ていただいて、準決勝に向けて、サポーターの皆さんのエネルギーを選手に与えてもらいたいと思います」
浦和が来季のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を獲得するには、天皇杯で優勝するしかない。今季の”大一番”といえる一戦に向けて、オリヴェイラ監督はそのように、もう一度、力を与えてほしいと伝えたのだ。
「サポーターの方々には“武器”であるバナー(横断幕)や旗などさまざまなものを持ってきて、私たちに力を与えていただきたい。
選手はサポーターに力を与えようとします。そして皆さんからも力をいただきたい。選手たちにもそれを感じてほしい。
水曜日のピッチに立つとき、選手はサポーターの皆さんとともにピッチに立つという気持ちになります。それをさらに強く感じられるようにしてほしいと思います」
指揮官はそのように呼び掛けた。
浦和は12月3日月曜日の練習を非公開にして、4日午前10時からの練習を公開することを決めた。浦和の総力を結集して――5日の実質アウェー(今回ホーム扱いでユニフォームはファーストを着用)となる鹿島との天皇杯・準決勝に挑む。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI