【浦和】大卒新人ボランチ伊藤敦樹が語った阿部勇樹の存在。開幕FC東京戦でスタメン抜擢
開幕のFC東京戦に抜擢された大卒新人ボランチ、浦和の伊藤敦樹。協力:浦和レッズ
「小さい頃からの夢、『やってやろう』という気持ちだった」
[J1 1節] 浦和 1-1 FC東京/2021年2月27日/埼玉スタジアム
流通経済大学から浦和レッズに今季加入したルーキー伊藤敦樹が2月27日の2021シーズンのJ1リーグ開幕・FC東京戦、ボランチの先発に抜擢されてフル出場を果たした。
浦和のジュニアユース、ユース出身でもある伊藤は、次のように率直にJ1デビューを果たせたことを喜んだ。
「この赤いユニホームを着てプレーすることは小さい頃からの夢だったので、あとは『やってやろう』という気持ちでした。最初は緊張して簡単なミスもありましたが、守備の部分やサイドを変えることなどある程度できたかなと感じました。後半はもう少しゴールに直結するようなプレーができたら良かったと思います」
伊藤はこの試合で、“バランス”を心掛けたという。ただ、そこについては、阿部が細心の注意を払ってくれていたと言う。
「阿部さんが気を使って、バランスを取ってくれていました。自分もポジションをしっかり取ることを心掛けていましたが、そこまであまり気を使わないでやれていました。最終ラインの4人も常に自分へ声を掛けてくれて、自分にとっては、とてもやりやすい環境でした」
チーム最年長でもある2010年のベスト16入りを果たした南アフリカ・ワールドカップ戦士の阿部の隣でプレーする。22歳のミッドフィルダーはそこで得るものは多かったと言う。
「距離感と攻めている時のリスク管理、それに攻撃での立ち位置は互いを見ながらバランスを取っていました。阿部さんの隣でやっていると、ポジショニングの部分で、危機察知能力やセカンドボールを拾う動きなど、本当に学ぶことが多いです」
常に複数のプレーの選択肢を確保する。そのように意識した位置取りをしているのが印象的だった。
一方、ビルドアップから伊藤、阿部ともに下がってしまうことで、前のスペースを突く場面はあるものの、厚みをもたらす機会は限られた。そのあたりのメリハリのつけ方もまた課題になってくる。
「監督からもどんどん前へ入っていけと言われています。阿部さんがバランスを取ってくれているので、自分が前へ出て、今日訪れたシュートチャンスの1本を決め切る力を身に付けて、よりゴールにつながるプレーを出していきたいです」
今季就任したリカルド・ロドリゲス監督から自信を持って送り出された逸材だ。浦和の心臓となっていけるのか――。その堂々としたプレーで、新生レッズを支え牽引する。
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[取材・文:塚越始]