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日本代表GKシュミットの欧州挑戦、仙台の指揮官が打ち明けた複雑な胸中

失点を喫し唇を噛み締める仙台のGKシュミット・ダニエル。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

鹿島との”あと1試合”。代表主力級のGKが抜ける痛みと、クラブとしての誇り。

[J1 18節] 浦和 1-0 仙台/2019年7月6日/埼玉スタジアム2〇〇2

 ベガルタ仙台のGKシュミット・ダニエルが浦和レッズ戦でフル出場を果たし、開幕から18試合連続となるフル出場を果たした。しかし試合は興梠慎三のゴールで0-1で敗れ、クラブとしての目標だった埼スタ初勝利はならず。本人もループシュートを決められた場面について、「やや早く前へ出てしまった。あと少しだけ、我慢して後ろで耐えられれば、コースも限定できた」と悔しさを滲ませた。

 仙台でのプレーはあと1試合――。シュミットは7月13日の19節、ホームのユアテックスタジアム仙台での鹿島アントラーズ戦がラストとなり、その後、ベルギー1部リーグのシント=トロインデンVVに移籍する。

 渡邉晋監督は試合後の記者会見で、シュミットの離脱について聞かれると、次のように答えた。

「移籍に関しては、現場を預かる身としてはもちろん痛いです。レギュラーのゴールキーパーで、現在でいえば日本代表でレギュラーを獲るかどうかというくらいの選手が、シーズン途中に抜けるのですから」

 そのうえで、指揮官は仙台から欧州1部リーグに羽ばたくことについて次のように語った。

「ちょうど1年前、西村拓真がCSKAモスクワに羽ばたたき、再び同じ時期に、我々のクラブからヨーロッパの舞台に羽ばたく選手がいる。クラブの規模、我々のやり方を考えると、それは誇らしいことではないかと思っています。

 戦力的に考えると痛い。反面、そこは誇りに思い、堂々と自慢していい話だと思います。

 ただクラブも本当に迅速に動いて、皆さんもご承知の通り、新たに迎え入れたゴールキーパーがすでに練習を一緒にしていて、彼にも期待をしています。

 ダン(シュミット)が数か月後、「ああ、仙台は俺がいなくなっても大丈夫だな」というニュースをベルギーに届けられるようにやっていければいいなと思います」

 ”ベガルタ仙台”のブランド価値は上がっているのではないか。それをさらに高めるためにも、仙台が成績を残し、シュミットが活躍することが求められる。

 まず何より鹿島戦だ。山吹色のサポーターの大きな声援を受けて、シュミットの旅立ちを白星で飾りたい。

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[文:サカノワ編集グループ]

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