敗れた鹿島の内田篤人「勝ったほうが強い。浦和に優勝してもらいたい」
鹿島アントラーズの内田篤人。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
約2か月ぶりのフル出場を果たす。
[天皇杯 準決勝] 浦和 1-0 鹿島/2018年12月5日19:00/県立カシマサッカースタジアム
浦和レッズが1-0で鹿島アントラーズに勝利を収め、9日の天皇杯決勝にコマを進めた。
敗れた鹿島のDF内田篤人は4-4-2の右サイドバックでフル出場。ピッチに立ったのは11月24日の33節・ベガルタ仙台戦(〇3-0)で試合終盤8分間出場して以来、フル出場は10月3日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝ファーストレグの水原三星戦(〇3-2)以来約2か月となった。
久々の長い時間プレーした内田は、「トラップだったり、長いボール、短いボール、感覚は狂っていなかったと感じました。もう少し走れると思います」と振り返った。
鹿島は立ち上がりから主導権を握れた。そこでチャンスをモノにできず、逆にコーナーキックからマウリシオに豪快にヘッドで合わせられてワンチャンスを決められた。
結果的にその1点が決勝点に。内田は振り返る。
「自分たちが良い入りをしたけれども点が取れなかった。セットプレー一つ。相手の(柏木)陽介のいいボールが入ってきて、難しい守り方を強いられてしまいました。一発取って勝っていくのがオズワルド(オリヴェイラ監督)らしい」
そして彼は潔く負けを認めた。
「試合後に陽介とも話したけれど、内容が悪くても勝てるのが強いチーム。もちろんどんな試合であっても勝つのが鹿島。鹿島は勝たなければいけなかった。それでも勝ったチームが強いということ。だから浦和にはぜひ優勝してもらいたいです」
内田はそのように浦和にエールを送るように言った。
鹿島は初めてアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を果たし、クラブ史上20冠を達成。そして21冠目を狙った。しかし……やはり一つタイトルを獲るのも難しいという現実を改めて突き付けられた。
内田は悔しさを噛み締めつつ、「ずっと連戦をしてきて、みんなよくやってきたよ。だからこそ、このまま終われない。まだあと一つあるから」と希望の火を絶やすことなく、クラブワールドカップに照準を切り替えていた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI