浦和救った!スーパークリアの宇賀神友弥「最後のところで体を張る今日の仕事ができた」
天皇杯準決勝の鹿島アントラーズ戦でフル出場した宇賀神友弥(3番)(C)SAKANOWA
後半アディショナルタイム、セルジーニョのシュートを倒れ込みながら掻き出す。
[天皇杯 準決勝] 浦和 1-0 鹿島/2018年12月5日19:00/県立カシマサッカースタジアム
浦和レッズの左ウイングバックでフル出場した宇賀神友弥は、後半アディショナルタイムにセルジーニョの枠内に飛んできたシュートを身を挺してクリアに成功。間一髪、同点ゴールを防いでみせた。
なかなか攻撃面で貢献できず「走り合いや球際のところで」宇賀神の持ち味と言える絶え間ないアップダウンやタフなディフェンスで、相手に主導権を与えることを許さなかった。迎えた後半アディショナルタイム、カウンターで抜け出してペナルティエリア内でパスを受けたセルジーニョのシュートが、GK西川周作の横を抜けてゴールの枠へ転がる――。そこにカバーに入った宇賀神が倒れ込みながら、ボールを掻き出して、詰める土居聖真にもゴールを許さなかった。
宇賀神はその”スーパークリア”を振り返る。
「ちょっとディフレクション的な感じで突破されてしまいましたけれど、しっかり(シュートを放ったセルジーニョに)プレッシャーを掛けていた西川選手の圧力もあり、最後は、そこに転がってくれば僕がクリアできるという位置に戻れていて、そこは良かったと思います。でも最終的には、どんなクリアかもあまり覚えていないぐらいのシーンでした」
咄嗟の判断で予測しゴールマウスまで懸命に戻った。しかし……クリア自体はあまり覚えていないということだった。
「ディフェンスもしっかりプレッシャーをかけていましたし、良い形で(セルジーニョに)シュートを打たせなかったことが、あのシュートブロックにつながりました。今日はなかなかボールを支配する時間がなく、特に(宇賀神のいた)左サイドにボールが来ることが少ないなか、自分が貢献できることは何かを考えてプレーしていました。最後のところで体を張るのは、今日の仕事。結果、あのブロックにつながったと思います」
得点やアシストといった数字には表れない。ただ、ある意味、1ゴール分の価値はある大仕事で、宇賀神が浦和を決勝に導いた。宇賀神の汗と土で汚れたユニフォームは、殊勲の証だった。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI