阿部勇樹が触発された浦和新人トリオの「ガムシャラさ」
天皇杯決勝、ゴールを決めた宇賀神(3番)と歓喜する阿部(22番)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
橋岡大樹、荻原拓也、柴戸海、いずれも頭角を現すシーズンに。
[天皇杯 決勝] 浦和 1-0 仙台/2018年12月9日/埼玉スタジアム2〇〇2
浦和レッズのMF阿部勇樹は、優勝で締めくくった天皇杯決勝・ベガルタ仙台戦のあと、今季いずれも出場機会を得て頭角を現した新人の選手たちについて、「刺激を与えてくれた」と、その活躍ぶりを喜んだ。
今季の新人は、浦和ユースから昇格した橋岡大樹、荻原拓也、明治大から加入した柴戸海の3人。橋岡は右ウイングバックとしてフル稼働し、荻原はルヴァンカップで2ゴールデビューを果たしてシーズン終盤は切り札的に起用された。二人はU-19日本代表としてU-19アジア選手権に出場し、来年開催されるポーランドU-20ワールドカップの出場権を獲得している。また、柴戸はボールを奪い切れる貴重なミッドフィルダーとして台頭し、後半戦のすべての試合でピッチに立った。
37歳の阿部にとって、19歳の橋岡と荻原は子供のような年齢でもある。そして柴戸は阿部に憧れて浦和への道を選び、その大先輩から多大な影響を受けて進化を遂げてきた。
阿部は彼ら3人について、次のように語っていた。
「ガムシャラな、やってやるという気持ちが伝わってくる。それはサッカーを続けていくと、忘れてしまいがちなものかもしれない。彼らの気持ちが周りに、上の年齢の選手たちに刺激を与えてくれた。それが波及することで、チームとしても大きくなっていけるのだと思います。もっともっとサッカーの部分でそうやっていってね。生活の部分では、おとなしくしてほしいけれど(笑)。頑張ってほしい」
さらに来季、浦和ユースからMF池髙暢希、GK石井僚、DF大城蛍の3人が昇格する。柴戸に続き明治大から岩武克弥も加わる。新たに補強する選手も出てくる。今季の新人3人にも、より厳しい戦いが待っていることは間違いない。浦和の2019年はさらに触発し合い、そして賑やかなシーズンになりそうだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI