【日本代表】危うかった!?権田修一が「PK+退場」にならなかった理由
日本代表の権田修一。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
2016年以前であればレッドカードだったか。
[UAEアジアカップ GS1節] 日本 3-2 トルクメニスタン/2019年1月9日/アル・ナヒヤン
アジアカップのグループステージの日本対トルクメニスタン戦の78分、イラン人のアリレザ・ファガニー主審は、ペナルティエリア内で相手選手の突破を止めたGK権田修一のファウルをとってPKを与え、権田にはイエローカードを提示した。
2016年以前であればレッドカードが出されていたシュエ―ションだった。ただ、今回もレッドカードが提示されていた可能性はあった。
PKに関してルール変更されたのが2016年だった。サッカーのルールなどを決定する国際サッカー評議会(以下、IFAB)が、「競技規則改定」を各国に通達。決定機阻止をした守備者への罰則が緩和された。
それまで「決定機阻止」には一発レッドカード(退場処分)になると括られていた。つまり、ペナルティエリア内の決定的なシーンで、守備者がファウルを犯した場合、PKを与え、さらにファウルをした選手(今回であれば権田)が退場することになっていた。
PKを与えたチームは、失点、数的不利、GKが退場した場合にはフィールドプレーヤーをGKに代えなければならない「三重苦」を余儀なくされた。
それが守備側への罰則が重すぎるということで、ボールにチャレンジしていた場合は「PK+イエローカード」に緩和された。
とはいえ、重要なのは、ボールにチャレンジしていたかどうか。
記憶に残るのが、ロシア・ワールドカップ(W杯)グループステージ、日本対コロンビアでカルロス・サンチェスがペナルティエリア内でハンドを犯して「PK+レッドカード」の判定が下されたシーンだ。この時は、ボールや相手へチャレンジせず、故意に手を使ったとして退場処分となった。
今回、もしも権田がボールに向かっていない、と判断されていたら、レッドカードが出されていたかもしれなかった。紙一重だったのは事実。
とはいえ結果的に、この難しい初戦で勝点3を掴むことにも成功。権田のこの相手との間合いを詰めて”PKで済ませた”というギリギリの判断が、のちのちどのような意味を持ってくるか――。
文:サカノワ編集グループ